■高萩市歯科医師会 会長 杉田 裕一(すぎたゆういち)先生
杉田歯科医院 院長/日本歯周病学会 指導医
日頃の口腔ケアの重要性や、最近耳にする「オーラルフレイル」対策について、お話を伺いました。
▽日頃の口腔ケアの重要性を教えてください。
口腔の健康を保ち、むし歯や歯周病の進行を抑えるには、お口の中を清潔に保つことが重要です。
毎日の歯磨きはもちろん、むし歯や歯周病を適切に治療して、口腔内の健康を維持することが大切です。
歯のメンテナンスが必要な間隔は人それぞれ異なるので、かかりつけ歯科医へ相談しましょう。
▽「オーラルフレイル」とは、どのような状態ですか。
加齢とともに心身の活力(運動・認知機能等)が低下していくことを「フレイル(虚弱)」と言います。
オーラルフレイルは、そのうち、「噛む・飲みこむ・話す」といった、口腔機能が衰えていく状態を指します。
▽オーラルフレイル予防の重要性を教えてください。
噛む・飲みこむ力が弱くなると、食生活に支障をきたします。
オーラルフレイルを放置すると、食生活が乱れ、全身の健康や社会参加にも影響を及ぼします。
予防のためには、日頃から、自分のお口の状態を知ることが大切です。
かかりつけの歯科医を持ち、将来を見据えた口腔ケアに取り組みましょう。
■自分の口の状態を知ろう!オーラルフレイルセルフチェック
●合計点数が0~2点:危険性は低い3点:危険性あり4点以上:危険性が高い
出典:東京大学高齢社会総合研究機構田中友規、飯島勝矢
■ライフステージに応じた市の主な取り組み
▽妊娠・乳幼児期
妊娠期は、ホルモンバランスの関係から歯周病になりやすく、早産の一因になることも。
乳幼児期は乳歯が生え、歯のケアが始まる大事な時期。
・パパ・ママレッスン
・乳幼児健診・歯科健診
・赤ちゃん教室
▽学童・思春期
乳歯が永久歯に生え変わる大切な時期。毎日の歯磨きと、定期的な歯科健診を習慣づけましょう。
・歯科相談
・学校での健康歯科教室
・フッ化物うがい支援
▽青壮年期以降
定期健診の機会が減り、歯周病が増え始める時期。規則正しい生活習慣とともに、歯・口腔ケアを心がけましょう。
・歯科相談
・歯周病検診
・歯と口腔に関する講演会
市は日本歯科大学と連携し、歯周病検診・講演会を行っています。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>