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自治体の皆さまへ

市制施行20周年、輝かしい未来への新たな出発点 五島市長 野口市太郎

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長崎県五島市

■はじめに
あけましておめでとうございます。
市民の皆さまにおかれましては、新春を健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年五月から新型コロナウイルスの感染法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられ、私たちの暮らしにも日常が戻りつつあります。
しかし、五島市では、人口減少、地球温暖化、働き方改革、デジタル技術の進展等、待ったなしの対応が求められています。これらの課題に正面から向き合い、活力あるまちづくりを進めるため、「第2期五島市総合戦略」に基づき、人口減少対策をはじめ各種施策に積極的に取り組んでいます。

■観光需要回復の兆し
コロナ禍後の観光需要の高まりを好機ととらえ、県と五島市独自の誘客キャンペーン事業を展開してまいりました。加えて、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」や五島市出身のヨシノサツキさん原作「ばらかもん」のドラマの放送が追い風となり、昨年の観光入込客数は10月末時点で約17万6500人と、コロナ禍前の令和元年同期(1月から10月)の83%まで、世界遺産登録前の平成29年同期とほぼ同じ水準まで回復しました。
五島市には世界遺産、日本遺産、ジオパークをはじめとした歴史的・文化的な魅力が市内各地に深く根付いています。こうした地域の魅力をしっかりと全国に発信し、県や観光関連団体等と連携しながら、観光資源を磨き上げ、受け入れ環境の整備に取り組むことで交流人口の拡大を図ってまいります。

■転入超過で社会増の見込み
昨年の社会動態は、3年ぶりに転入者が転出者を上回り増加に転じる見込みです(令和5年11月現在34人増)。
有人国境離島法による雇用拡充事業のほか、移住者支援やテレワークの環境整備等、移住・定住対策が実を結び、今年度のUIターン者数は令和5年11月末時点で192人と、過去最高を記録した昨年度を超える勢いで推移しています。
一方で、死亡者数が出生者数を上回る自然減は歯止めがかからない状況です。今後は、出会いから結婚・出産・子育てまでの切れ目ない支援を推進するとともに、病気の早期発見のため特定健診やがん検診の普及啓発に努め、生活習慣の改善等により健康寿命の延伸を図ってまいります。

■新たに2つの公共施設がオープン
昨年4月1日、新たに五島市立図書館が開館しました。開館してから11月末までで、本を借りた人は延べ約3万5400人となっており、旧図書館と比較して75%増加しています。
今後は、新図書館が学びと情報の拠点となり、市民の新たな交流の場として、にぎわいを創出できるよう取り組んでまいります。4月30日、鐙瀬ビジターセンターがリニューアルオープンしました。五島列島の成り立ちや生態系、歴史文化などについて、展示物や映像のほか、自然観察会等を通して楽しく学ぶことができます。花や石などを使ったストラップや缶バッジ作り体験を開催していますので、ぜひお越しください。

■DXによる行政サービスの変革
五島市ではデジタル技術を活用して行政サービスの向上や効率化を図っています。昨年は出生や死亡あるいは転出・転入等、各種届出の「書かなくていい窓口」や行政手続きのオンライン化による「行かなくていい窓口」のほか、支所・本庁間のデジタル相談窓口を開設しました。
令和4年10月からは、マイナンバーカードを使って、全国のコンビニで住民票や各種証明書を取得できるサービスを開始しています。マイナンバーカードは今年秋には健康保険証と一体化され、今後、運転免許証との一体化なども予定されています。
昨年1月、自宅から医師や薬剤師の診療等を受けられるモバイルクリニック事業を開始し、これまでに延べ152人(昨年11月末現在)の患者が受診し、12月から奈留島でも運用を始めました。
予約制乗合タクシー「チョイソコごとう」は、福江・富江・岐宿に加え、路線バスの廃止に伴い、昨年10月から奈留島で運行開始しました。現在は3800人を超える方が会員登録をしており、高齢者を中心に買い物や通院に1日平均129人が利用し、住民にとって身近な移動手段となっています。

■市制施行20周年
旧1市5町が合併して誕生した五島市は今年20周年を迎えます。この記念すべき年を市民の皆さまと喜びを分かち合い、郷土愛や絆を深めるため、記念事業の開催に向け準備を進めています。
これからも、先人から引き継いだ豊かな自然や歴史・文化、そして市民の暮らしを守り、子どもたちに明るい未来を託すため、「ふるさと五島」の活性化に取り組んでいきます。
先の見えない時代だからこそ、未来を見据えて絶えず挑戦し、若者に住みたいと思ってもらえるまち、安心して子育てができるまち、高齢者になっても暮らし続けたいと思えるまち、そんな全世代に選ばれる魅力的なまちを市民の皆さまと共に築き上げていきたいと思っています。
結びに、今年が皆さまにとって希望に満ちた幸多い年となりますよう心よりご祈念申し上げまして、年頭にあたってのご挨拶といたします。

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