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南島原の考古学

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長崎県南島原市

■石鍋が出土した意味~北岡金比羅祀遺跡(きたおかこんぴらし)(南有馬町)~
令和5年1月に自転車歩行者専用道路の工事に伴い発掘調査した北岡金毘羅祀(きたおかこんぴらし)遺跡。この遺跡の調査結果から、日野江城から原城にかけて海岸線があったことが判明しました。また、埋め立てに使用された土からは「石鍋」の破片が多数出土しました。
石鍋は「滑石(かっせき)」という石で作られた調理などの日常生活で使われた鍋で、原材料となる滑石は非常に柔らかく、加工が容易であったため、まだ鉄製の鍋を量産することが難しかった平安時代末期から安土桃山時代にかけて作られていました。滑石が多く存在する西彼杵半島は一大産地であり、ある古文書には西彼杵半島産の石鍋は「牛1頭に石鍋4つ」という記述が残るほど貴重で高価なものでした。
今回出土した石鍋の破片は13世紀のもので日野江城が築城された年代でもあり、調査の結果、日野江城から原城にかけて海岸線があったこと、石鍋の破片が多数出土したことから、有馬氏の繁栄や貿易船の往来があり、日野江城とその周辺の城下町が大変賑わっていたことをうかがい知ることができます。

▽12月~令和6年1月の小企画
日時:12月1日(金)~令和6年1月31日(水)午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
※休館日:火曜日/年末年始(12月29日~1月3日)
場所:深江埋蔵文化財・噴火災害資料館
料金:
・一般…200円
・高校生…150円
・中学生以下…無料
※団体割引あり
※企画展は入館料のみでご覧いただけます。

問合せ:文化財課(南有馬庁舎)
【電話】73-6705

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