※Parolaは「言葉または保証」という意味
■エマはどんな風に聞こえてる!?
心の風景はどの国の風景?言葉での旅に行こう!
新年度に入り、ゴールデンウィークにどこかに旅をする人も多いでしょう。
旅では居所を離れてよその土地で見物したり、名物を食べたりしますが、実際に自分がいる場所から動かずに旅することもできると思います。それは、心の風景を眺めることです。
普段から、心の風景は皆さんが見慣れているものになります。
例えば、春の初めに寒い日と温かい日が順番に切り替えるという事を日本では「三寒四温」と言いますが、イタリア語ではその「三寒」は「Giorni della merla(ジョルニ デッラ メルラ)(母ツグミの日)」と呼びます。概念として、寒い中、母ツグミは温かい日に生まれた小鳥のためにエサを探すことに必死になるという日々です。おそらく、日本人は温度の差を春のしらべにしますが、イタリア人は鳥の活躍から判断するようですね。
風景と言っても、風景の中の小さなところも面白いです。例えば日本ではイワシが群れになると普通に「イワシの群れ」になりますが、違う言語で違うものになります。
例えば、英語では「a school of sardines(エ スクール オヴ サディーンズ)(イワシの学校)」になり、イタリア語では「un banco di sardine(ウン バンコ ディ サルディーネ)(イワシの銀行)」になります。つまり、日本ではイワシは意図もなく群れになりますが、外国ではイワシは群れになって一緒に学校に通ったり、サラリーマンのように銀行に通勤したりします。
以上の表現は同じ事を指していますが、言葉でかなり違う風景を描写しますね。風景は心の中の庭であれば、言葉はまるでその庭の整備をするための道具になります。本格的に旅に行くと、新しい言葉、新しい風景に触り、心の中の風景も変わります。しかし、旅はお金と時間がかかる反面、言葉は無料でいつでも耳にできる事です。
皆さんは旅から帰ってきたら、旅で見た景色と心の中の景色を比較し、少し悲しくなることもあるかもしれません。そこで、違う言葉を知り、それを使ってみたら、一気に心の中の景色も変わります。そして、五月雨の中にイワシブルーの傘を持っている姿を見れば、「エマ!」と声をかけて新しい表現をたくさん教えてください!
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