■自然を巧みに利用した島原半島の人々の暮らし~海で採れる黒い砂~
まだまだ暑い時期が続きますが、夏といえば何を思い浮かべますか?夏といえば、マリンスポーツや釣りを楽しむ“海”などを連想するかと思います。今回は海で採れる“黒い砂”をテーマに、それを利用した産業についてお話します。
尾茂浜海岸(おもはまかいがん)(国見町)には、黒い砂がたまる場所があります。この黒い砂の正体は何でしょうか?
黒い砂は磁石を近づけると引き寄せられる“砂鉄”です。尾茂浜海岸で見られる砂鉄は、50万年前~30万年前の雲仙火山から噴出した磁鉄鉱を含む溶岩が、川によって運ばれる途中で割れていき、海岸にたまったものです。砂鉄は、それ以外の砂と比べて重いため、流れにくく、たまりやすいという特徴があります。そのような特徴に気付いた昔の人は、砂をザルのようなものですくい、これを水の中で揺らし、砂鉄だけを選び分けました。そしてそれを熱で溶かし、農具などを作っていたそうです。
しかし現在、農具などの製鉄作りはほとんど行われていません。それは、多くの時間と苦労が必要だからです。産業は時代とともに移り変わりますが、尾茂浜海岸にある砂鉄は、その面影を語る“置き土産”かもしれません。
■第68回 ジオ空(ぞら)教室 第13回島原半島ユネスコ世界ジオパーク高校生研究発表大会
高校生が島原半島内の自然や地球現象など、ふるさとの魅力を高校生ならではの視点で研究した成果を発表します。
日時:10月12日(土)午前9時30分~午後2時(予定)
場所:がまだすドーム(雲仙岳災害記念館内)
料金:無料
申込み:不要
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問合せ:島原半島ジオパーク協議会
【電話】0957-65-5540【E-mail】info@unzen-geopark.jp
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