■「土器の色」と「火の温度」
土器は作られた年代によって様々な色の違いがあり、色の違いを生む一つの要因として、焼成温度(土器を焼く温度)があります。
土器文化が始まった縄文時代は、たき火の中で直接焼く「野焼き」が行われていました。しかし、この方法だと熱が外に逃げてしまい、約600度の火で焼かれるので、粘土の状態からあまり変化しない黒褐色のものが多く作られました。
弥生時代になると、野焼きの状態に藁(わら)や土を覆い被せ、その反射熱を用いて約700~800度で焼くことを可能にした「覆い焼き」という方法が普及します。この段階になると、素焼きのレンガのように赤みがかり、表面がやや滑らかな土器が多くなります。
古墳時代中頃には、1,000度に達する窯焼きの技術が大陸から伝来します。窯で蒸し焼きにする中で粘土中の酸化鉄の酸素などが用いられるため、焼き上がりには純粋な鉄成分が残った状態となり、灰青色や黒褐色に発色する「須恵器」が作られるようになります。
色の違いと焼成技術は、密接な関係があるとおわかりいただけたでしょうか。博物館や資料館に行った際は、どのような違いがあるのか観察してみてください!!
▽身近な火と土器の焼成温度
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