【2つのテーマでディスカッション】
■session1『対馬島の漂着ごみの現状とアクション』
▽韓国海洋水産開発院
専任研究員 ナムジョンホ氏
海洋プラスチックは、陸上で発生したプラスチックごみが海洋に流出し、世界に広がっているため、海を汚すというだけでなく、どこが管理や対策をとるのかなど、非常に複雑化している問題です。
私は、2003年に韓国でワークショップを行い、翌年には対馬に行き、海岸清掃やワークショップを行いました。小さな取り組みからスタートさせ、現在、日韓両国は、海洋ごみをテーマに協議を行うようになりました。海洋ごみは私たちが解決しなくてはいけない問題ではありますが、今回、アメリカが参加するなど、海洋ごみが太平洋地域をつなげてくれる「外交官」のような存在であるとも言えるのではないでしょうか。今回のシンポジウムは、小さな一歩かもしれません。しかしこれから先の取り組みとして、大きな影響を及ぼすと思います。
▽パタゴニア日本支社
支社長 マーティ・ポンフレー氏
パタゴニアは、1957年に創業したアウトドアブランドです。高品質な製品を作ることはもちろんですが、環境に配慮した取り組みを行っています。2018年には、私たちの故郷である地球を救うことを事業の目的として、自然から価値を引き出し富に変えるとともに、その富を自然環境に使うことにしました。
私たちは、製造する服などが環境に悪影響を与えることを認識しており、その問題を2030年までに解決することを目標にしています。現在、廃棄する漁網などをリサイクルした製品や、できるだけ長く使える製品を作るほか、使わなくなった製品を買い取り、リサイクルして販売する取り組みなども行っています。
◆シンポジウム参加者の声
▽九州大学 共創学部4年
レイク沙羅さん
企業や自治体、市民団体など、いろいろな立場で活動に取り組んでいる人たちの話を聞くことができました。この問題は、複合的な取り組みがとても大切だと思うので、この会をきっかけに、活動や実践が続いてほしいと思います。私も、対馬に行って、ごみの様子や取り組みについてもっと知りたいと思います。
▽九州大学 工学部3年
藤田航旗(かずき)さん
プラスチックが当たり前に生活の中にある若者たちが、当事者意識を持つことはとても大事だと思いますし、国際的な枠組みを作る上でも、私たちの声を伝えることは大事だと思います。これで終わりではなく、これを機にもっといろいろな人たちと意見を交わしていく必要があると思いました。
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