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わがまち再発見『文化財のみかた』第4回

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長崎県対馬市

■縄文時代の石器
縄文時代(約15,000~2,000年前)になると、気候の温暖化や土器の発明によって食料事情が安定したことで定住生活がはじまり、石器の主用途である狩猟具のほか、木材の伐採や加工のための道具が作られるようになりました。
木材の伐採に使われていたのは磨製(ませい)石器と呼ばれるもので、打製石器からさらに技術が発展し、より鋭く、使いやすく、加工しやすいように工夫されています。大まかに成形した石材を砥石(といし)や砂などで光沢が出るほど研磨することで、金属製の刃物の様に均一な刃部(じんぶ)を生み出し、より効率的かつ繊細な加工ができるようになります。石材は打製石器で用いていた薄く剥離する性質をもつ黒曜石や頁岩ではなく、石材の組成が緻密で硬い安山岩や砂岩、蛇紋岩(じゃもんがん)などを使用するようになり、刃部だけでなく全面を加工したものもみられます。
ただ、木材加工などの細かい作業には打製石器の鋭利さが求められることが多く、旧石器時代に引き続き剥片(はくへん)石器※が使用されました。これらは当時の墓から副葬品としても出土するため、埋葬者を象徴するものだったのではないかと考えられています。
佐賀貝塚(峰町佐賀)から出土した大量の石斧(せきふ)は、様々な形態・状態があります。石器がどのように作られ、使われ、現在まで残ったかを考えながら観察してみてはいかがでしょうか。※剥片石器…前月号参照

「些細なことでもかまいませんので、疑問や質問がありましたらお気軽にお尋ねください。」

問合せ:文化財課
【電話】0920-54-2341【E-mail】k_bunkazai@city-tsushima.jp

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