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島原市ふるさとPR大使「かれんのひとりごと」

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長崎県島原市

◎本市出身の俳優、宮﨑香蓮さんが日常で感じたことを掲載

■お城にはいろんな顔がある
景色の中に海、山、お城がある街はとても豊かだったんだなと今になると思います。
その中で島原城は小さな頃から身近な存在で、とても楽しい遊び場でした。
好きなスポットがいくつかあります。
島原文化会館の裏側からお堀に階段を降りて、また登って、その先から始まる梅園の道。大きな石垣があり、時期になると道に梅の実が落ちていたりして。
少し薄暗いからか、秘密の抜け道のような感じがして、わくわくしました。
曲がり角を曲がって抜けると、天守閣の坂道につながる広場に出ます。
その広場から学校を眺めることもとても好きでした。あの頃は学校が世界の全てだと思っていたけれど、上から眺めると学校が小さく見えて、少しだけ自分が自由になれたような、世界が広くなったような、そんな不思議な気持ちになりました。
さて、広場の坂道を登ると、いよいよどーんと天守閣が現れます。
もちろん天守閣で遊ぶのも好きだったのですが、わたしは天守閣の裏側がとても好きでした。
裏側には松が植わっていて木陰が少し薄暗くて、彫刻がたくさんあります。
さらに島原図書館側の城壁の方へ降りていくと、矢を放つための丸や三角の穴が空いた壁があり、植え込みが植わっていて、そこも少し薄暗くなります。
薄暗い場所が好き!という訳ではなくて、雰囲気がそこだけ変わる感じがとても好きでした。
そこで隠れんぼをしたり、ただ散歩していたような記憶があります。
今思うと、あの彫刻は北村西望氏の作品たちで、贅沢な遊び場だったなと思います。
そんな格好の遊び場であった島原城ですが、2021年の東京オリンピックの際には聖火ランナーとして走らせていただいた場所でもあります。先述した天守閣までの道とはまた別の、山側にあるものすごいカーブと傾斜の坂道を聖火を持ち走りました。
本当に緊張していて、笑えるくらい顔がこわばっていたのがいい思い出です。
人が集まるのにはとても難しい時期でしたが、たくさんの方々が見に来てくださって、いろんな表情が見えて、なんとも言えない胸が熱くなる経験をさせていただきました。
生まれたときから景色の中に当たり前にある存在で、子どもの頃は遊び場で、今は仕事でもお邪魔させてもらう場所。
そんな島原城も今年で築城400年!
書いてみるといろんな思い出があるなと感じました。これからも人が集まる場所であってほしいなと願っています。わたしも久しぶりに散歩してみようかな。

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