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自治体の皆さまへ

健康一口メモ 457号

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長崎県波佐見町

◆観便のススメ ―体からの大事な便りを確認しよう―
長崎川棚医療センター消化器内科 松本章子

突然ですが、皆さんはご自身の便を観察していますか?便は「汚い」というイメージがありますが、体に関する大事な情報がたくさん詰まっています。
まず、便は水分が80%を占めており、残り20%のうち2/3は腸内細菌と腸のはがれた粘膜であり、食べ物のカスは6~7%になります。食べ物はあまり便に関係ないの?と思われるかもしれませんが、よい腸内環境を作ることがよい便を出すことになります。食物繊維が少なかったり、肉や脂肪分の多い食品に偏っていると、便が出にくくなったり、匂いがきつい便がでたりします。腸内細菌叢が乱れているというサインです。
便の形や太さも重要です。理想の便は「バナナ大の便が1~2本」です。食事全体の摂取量が少ないと細い便になりますし、アルコールや脂肪分の多い食事だとドロドロの便が出たりします。水分摂取量や食物繊維の量が少なければ、硬くてコロコロした便がでます。まずは食事を見直してみましょう。そして、食事を工夫しているのにも関わらず細い便やコロコロした便が少ししか出ないときは要注意です。大腸に腫瘍がある可能性も考えられます。早めに病院を受診して検査を受けるようにしましょう。
色もしっかり確認しましょう。理想の便の色は黄土~茶褐色ですが、これは胆汁の中に含まれているビリルビンの色です。腸内のPHによって色が変わるので、肉類の摂取量が多く腸内環境が悪い時には黒っぽい便が出ます。また、病気があるときには特徴的な色の便が出ます。上部消化管出血の時には、タール便という真っ黒で悪臭が強い便が出ますし、下部消化管出血の時には赤色の便が出ます。胆道の病気があるときは灰白色の便が出ます。これらの異常な色の便が出たときは、すぐに病院へ相談しましょう。
この様に、便には体にまつわる情報がたくさんあります。そして最近の研究結果では便秘の人は心臓病や脳卒中でお亡くなりになる確率が高くなるともいわれています。普段から良い便が出る様にする事が健康につながるのです。
便のことを大便とも言いますが、まさに字のごとく「大事な体からの便り」ですね。さっそく今日から観便をしてみましょう。

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