◆便秘をあなどるなかれ!
ホーム・ホスピス中尾クリニック 中尾勘一郎先生
皆さん快便ですか?今回は、便秘のお話です。
便秘とは?
便秘は「本来排泄すべき、糞便が大腸内に滞ることによる兎糞状便・硬便・排便回数の減少や、糞便を快適に排泄できないことによる過度な怒責、残便感、直腸肛門も閉塞感、排便困難感を認める状態」と定義されています。排便回数だけでなく、残便感、閉塞感などがある方も便秘と言えます。この状態が6か月以上前からあり、最近3か月は持続しているなら、慢性便秘症です。
便秘の原因は?
便秘の原因は、腸の病気(大腸がん、炎症など)、全身の病気(糖尿病、甲状腺機能低下など)、お薬の副作用(うつのお薬、医療用麻薬など)、腸の機能障害などいろいろあります。気になられたら、ぜひ一度医療機関で検査されてください。
便秘は多いの?
若い時は女性が多いですが、年齢とともに、腸の運動機能の低下や、直腸の感覚低下もあり、男性も多くなります。年齢と伴に便秘の方は増えています。また、慢性便秘の方は心臓の病気・死亡リスク・パーキンソン病や腎臓の病気のリスクが上昇するといわれています。
どうしたらいいの?
まず、自分の便をいつも見ましょう。表のように分類されます。TYPE4が理想です。
次に、生活習慣や食事も大事です。便意を我慢しないように、排便習慣をつけましょう。また、食物繊維・水分・プロバイオティクス(健康に有益な作用をもたらす生きた微生物 ヨーグルトなど)の摂取は大事です。また、有酸素運動や腹壁マッサージも有効といわれています。
お薬は?
以前このコラムでも他の先生が書かれましたが、新しい便秘薬が発売されています。古い、以前からのお薬は、効果の低下や、副作用もありますし、お薬の選択肢も増え、使用法も変化してきています。
慢性便秘症は生活習慣・運動・食事・お薬とかかりつけの先生と相談しながら対応して、快適な生活を過ごしましょう。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>