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自治体の皆さまへ

躍動する長与人 Vol.08

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長崎県長与町

長与にゆかりのある、各分野で活躍している人を紹介します。

〈プロフィール〉
高崎和義さん
長与町でギター工房Fellowを営む。長崎市出身。1999年、愛媛のギター工房に弟子入り。5年間の修業を積む。2004年、長崎に戻って工房を開業。工房の場所は、住みやすく、高台で木材の乾燥に適している場所という条件で、長与町を選んだ。

Q:ギター制作家を目指したきっかけを教えてください
A:元々はギターを弾くことが好きでした。知人のギターと自分のギターを弾き比べたことがあり、それがギター制作の道を進み始めたきっかけです。値段は違うものだったのですが、同じ木材、同じ形、同じメーカーのギターを弾いたにもかかわらず、知人のものと自分のものでは音がまったく違いました。そのことがすごく不思議で、ギターを弾くことよりも、ギターそのものの音や素材、構造に魅力を感じるようになったんです。そこからは行動あるのみで、まずは、ギターの雑誌に掲載されていた熊本の工房に見学に行きました。たくさん通うために、仕事もアルバイトに変えて、月に1回ぐらいのペースで通っていました。その工房で弟子入りさせてくれとお願いしたのですが、断られてしまって…。自分は弟子を取らないけど代わりに、と紹介していただいたのが、愛媛の工房でした。暇さえあればギターを弾いていたのに、制作を始めてからは、めっきりギターを弾かなくなってしまって、今では全然弾けないんです(笑)。

Q:こだわりを教えてください
A:ひとりひとり違う演奏スタイルや好みの音があり、それを具現化するために、日々試行錯誤しています。工房のFellowという名前には、英語で仲間という意味があり、「完成したギターが、弾き手にとって心強いパートナーとなる」という願いを込めました。実際の制作では、どんな音色、どんな弾き心地を求めているのか話を聞くことから始まります。そこから、お客さまと一緒に使用する木材や、形状を決めていきます。制作も進歩を報告し、コミュニケーションを取りながら、一緒に制作を進めていくイメージです。時間もかかるし、途中で失敗できないというプレッシャーもかかる方法ですが、思い描く理想の音を作るためには、必要な工程だと考えています。また、制作途中の楽しみや、完成した時の達成感をお客さまと一緒に味わうことができ、自分にとっても喜びが大きい制作方法だと感じています。

Q:今後の展望を教えてください
A:今後も量産はせず、人や木材と向き合い、皆さんに喜んでもらえるようなギターを作っていきたいと思っています。昔は、日本中に自分のギターを届けてやろう、世界でも通用するギターを作ろうなどと考えていましたが、考え方が変わる出来事がありました。2024年8月に「フェローギターを囲んで楽しもう会」といって、制作したギターのオーナーさまたちが、自主的に集まって演奏会をしてくださいました。自分が制作したギターを通して、オーナーさま同士が自然と繋がっていく。奏でる音が、弾く人・聴く人を癒す。そんな姿を見て、「これで良かったんだ」と自分の方向性が定まったように感じました。これからも、弾く人ひとりひとりにとっての理想のギターを作っていきたいと心から思っています。

2025年1月19日(日)第2回開催決定

▽町民へメッセージ
長与町に来て20年が経ちました。仕事、結婚、子育てなど、人生の貴重な経験をさせていただきました。時に長与の自然に癒され、町民の方々の優しさに支えられてお仕事を続けてこれました。本当に感謝しています。今後ともよろしくお願いいたします。

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