長与町に立地する長崎県立大学シーボルト校。すぐ近くの大学でどのような研究が行われているかをシリーズで紹介していきます。
◆チーム医療を担う人材育成にむけた基礎教育プログラムの開発
看護栄養学部 看護学科
永峯卓哉 准教授
現在、中学生・高校生の皆さんは、これから協調的で創造的な社会のなかで働くことになります。そのためには、人間関係を大切にしながら、集団で協力して課題を解決する能力が求められています。多くの場面で他者と協働・協調しながら、課題を解決することができなければなりません。そのような能力を育成するために、中学・高校の授業のなかでも、協働的な学びを実現するためにグループを活用した学習活動が多く取り入れられています。大学教育でも、アクティブラーニングが推奨され、多くの大学の授業においても、グループやペアを活用した学習方法が実践されています。
医療や看護においても、チーム医療が当たり前となり、多職種連携・協働によって、多くの人が、話し合いながら患者さんの治療やケアを行っています。
皆さんは、グループ活動は好きですか。グループでの活動にどのようなイメージを持っているでしょうか。はじめて会う人とも、チームを組んですぐに課題解決ができるでしょうか。
チームが機能し、課題を解決して成果を上げるためには、様々な要因が絡んできます。私は、これらの要因を明らかにし、社会のなかで他者と協働できる人材育成のための教育プログラム構築にむけて研究に取り組んでいます。
グループ活動の成果には、グループ活動が「好きであるか、嫌いであるか」が関連していると考えています。また、実際のグループ活動の中での、人間関係の経験と感情の変化が、グループ活動が「好きになるか、嫌いになるか」に影響していると考えています。個人の社会的スキル(コミュニケーションスキルなど)の差によって、グループ活動が停滞したり、まじめに取り組むメンバーに負担が偏ったりすることが、グループでの活動を嫌いになる要因とも考えています。
これからも、これらの研究課題に取り組み、将来、チーム医療を担う人材育成にむけて、基礎教育から現任教育までを含めたプログラムの開発や教育の実践に尽力していきたいと考えています。
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