文字サイズ
自治体の皆さまへ

子どもたちの笑顔を守るために(2)

2/37

長崎県長崎市

育児は大変だし悩むもの でも時々幸せ、それでいいと思う

■児童虐待について専門家にお話しを伺いました
▽児童虐待の要因は
虐待が起きてしまう要因は大きく分けて3つあります。
1つ目は親自身のこと。精神的な問題や子ども時代に愛情を受けていなかったりといろいろあります。2つ目は子どものこと。望まない妊娠や何らかの事情で生まれてから一緒に過ごせず愛着形成が難しかったり、親が育てにくいと感じてしまう場合などです。3つ目は育児環境のこと。夫婦不和や経済不安、育児不安などのストレスが積み重なるような状況です。
これらの要因が絡み合って余裕がなくなったところに、「孤立」が加わることで虐待が起きやすくなります。
また、愛情がないから虐待が起こるわけでもありません。たとえ、親が「子どものため」と思っても、その対応が子どもにとって有害であれば、子どもの権利を侵害することになるのです。

▽育児は一人で頑張らないで
地域や大家族の中で自然と育児について学べる環境だったひと昔前と違って、核家族化や少子化が進んだ現在、お母さんやお父さんは孤立した育児状況で一生懸命頑張っていると思います。インターネット上の信ぴょう性のない情報に翻弄されたり、子育てに自信を無くすこともあるでしょう。育児は大変だし悩むもの、でも時々幸せ、それでいいと思います。でも、一人で悩んだり、抱え込まず、誰かに助けを求めてください。
子育て支援センターや子どもが通う保育所、学校などで、親同士で不安や愚痴をこぼし合ってみたり、子育ての先輩に相談してみてください。市役所へ相談に行くのもいいと思います。
人とのつながりを作って、支えてもらってください。

▽ひとりの子どもを育てるには村中みんなの力が必要
これはアフリカの古いことわざです。「社会全体で子どもを育てる」という文化の醸成が結果的に子どもを守り、子どもたちが心身ともに健やかに成長することにつながると思います。
同時に、育児に取り組む親を守り、支援する、「子育てはうまくいかなくて当たり前。だから応援しよう」という子育てに対する温かい社会のまなざしも重要だと思います。
多くのかたが児童虐待について知り、日常的に関心を持ち、身近な子どもと親に目と心を配っていただきたいです。もしかしたら育児に行き詰まっているかもしれない、虐待かもしれないと少しでも感じたら、どうぞ専門機関に連絡してください。その連絡が支援につながると思います。
「社会全体で子どもを育てる」そんな社会の実現を願ってやみません。

長崎純心大学 人文学部 こども教育保育学科 
准教授 柿田多佳子先生

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU