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自治体の皆さまへ

[特集]煙の行き先への配慮(1)

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長崎県長崎市

■「煙の行き先」まで考えていますか
たばこを吸っている時、その煙は喫煙を望まないかたのところまで漂っているかもしれません。周りに配慮できていますか。非喫煙者がたばこに対して困っていることの1つが受動喫煙です。
受動喫煙とは、本人が喫煙していなくても他人の喫煙により、有害物質を含んだ煙を吸ってしまうこと。たばこのフィルターを通らない副流煙には、主流煙よりも多くの有害物質が含まれています。受動喫煙によって、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群(SIDS)といった病気のリスクが高まるとされていて、受動喫煙を受けなければ年間1万5千人がこれらの疾患で死亡せずに済んだと推計されています。
吸うたばこの種類によっては「健康にも大丈夫」「周囲への影響は少ない」という声も耳にしますが、それは間違いです。マイルドやライトといったたばこでも、煙をより深く吸い込むなど、無意識のうちにたばこの吸い方を調整してしまうことがあるため、いわゆる「軽いたばこ」でも注意が必要です。また、加熱式たばこは紙巻たばこに比べて煙が少ないですが、健康被害が少ないという根拠はありません。電子たばこはニコチンの有無に関わらず、発がん性物質を発生するものがあるという報告もあります。

■お互いが快適に生活するために
本市の喫煙者の割合は全市民の約10%で、全国で比較すると割合は少なめ。(令和5年度市民健康意識調査より)大多数は非喫煙者ですが、たばこの煙は遠くまでにおいが漂うため、気になることがあるかたも多いのでは。
たばこを吸うときは、まず、その煙が周囲にどんな影響を及ぼすのか、どんな配慮をすることが大切なのかを知ることが大切です。健康増進法が改正され、喫煙者に対して望まない受動喫煙をさせることがないよう、周囲の状況に配慮する「配慮義務」が課されました。喫煙者の皆さんは次の場所をはじめ、喫煙するときには周囲に十分配慮しましょう。
路上:煙をさえぎるものがない上、すれ違う際はたばこを持つ手が子どもの顔くらいの高さになります。歩きたばこはやめましょう。
公園:市が管理する公園内は禁煙です。
庭やベランダ:洗濯物にたばこの有害物質やにおいがついたり、たばこの煙が窓から入ります。
今回の特集では、インタビューを交えながら配慮すべき点などを紹介します。この機会にたばこの害について正しく知りましょう。

■[Interview]医師が語る卒煙・防煙の重要性
重工記念長崎病院 門田(かどた)先生

5月31日(金)は世界禁煙デー。「世界禁煙デー実行委員会in長崎」での活動や毎月の禁煙相談会など、日頃から皆さんに禁煙の啓発をしている門田先生にお話を伺いました。

▽まずは知ることから
皆さんご存じの通り、たばこには喫煙者本人にも周りの人にも害があります。どのような害があるか知っていますか。
たばこにはニコチン・タール・ダイオキシン・一酸化炭素など200種類以上の有害物質や約60種類の発がん物質が入っています。また最近、増えている加熱式たばこにも発がん物質が含まれています。
日本人の主な死因であるがん、心臓病、肺炎、脳卒中などの病気は喫煙が原因で増える病気です。喫煙は日本人の死亡に関連する最大の疾患原因だと言えます。さらに、喫煙によって認知症や骨折のリスクも高まるほか、COPD(慢性閉塞性肺疾患)という進行すると息切れで日常生活に支障が出るなどの症状がある病気になる可能性も高まります。また周りの子供や大人・妊婦さんなどにも受動喫煙・三次喫煙の健康被害を及ぼします。
たばこの害をなくして健康に過ごすためには、まずはたばこをやめることが大切です。

▽「卒煙」に挑戦してみましょう
習慣的な喫煙は「ニコチン依存症」という疾患です。病気は治療するもの。我慢ではなく、禁煙外来や薬局でニコチンパッチやニコチンガムの薬を使い、ニコチン離脱症状の苦しみを緩和しながら禁煙に挑戦できます。禁煙は何回チャレンジしてもOKですよ。長崎市はニコチンパッチ助成事業や禁煙相談会など、全国でも先進的な卒煙の取り組みをしています。(5ページ参照)ぜひ行って、卒煙に挑戦するきっかけにしてみてください。
健康を気にして紙巻きたばこから加熱式たばこへ変える喫煙者のかたが非常に多いですが、加熱式たばこもたばこ、有害です。加熱式たばこに変えたり、たばこの本数を減らしたりしても害は無くなりません。
子どもは喫煙する大人を見て、たばこに興味を持ちます。子どもたちをニコチン依存症にしないためにも、大人の第一歩が大切です。

▽優しく見守りましょう
卒煙すると、身体もお財布も、周りの人も健康になります。たばこや喫煙所を探す必要がなくなり、長期的にはストレスも減ることも分かっています。
身体へのメリットは他にもたくさんあります。禁煙して数日で味覚が改善し口の中のべたつきが減り、1年後には心臓病のリスクが喫煙者の約半分になり、10年後には喫煙に起因するがんでの死亡リスクが下がります。思い立ったら早めに行動しましょう。そしてみんなの健康と環境のため、周りの皆さんも卒煙への応援よろしくお願いします。

問合せ:健康づくり課
【電話】829-1154

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