このコーナーは毎回テーマに沿った市長インタビューを掲載します。
テーマ「国立公園90周年」
―今年は雲仙が国立公園に指定されて90周年を迎えます。
〔金澤秀三郎市長〕はじめに、国立公園とは、日本を代表する優れた自然風景の保護と活用を目的に国が指定し、国が直接管理する自然公園です。1934年3月16日、雲仙と瀬戸内海、霧島の3地域が国内初の国立公園として指定されました。今年の3月16日で、ちょうど90年を迎えます。現在では、天草地域が1956年に追加されて「雲仙天草国立公園」となり、湯けむり漂う雲仙岳の火山景観と、島々が連なる天草の海洋景観が織りなす「水陸の大展望」が見どころとなっています。
―国立公園としての雲仙の特徴を教えてください。
〔市長〕雲仙地域は、20を超える山々からなる雲仙岳を中心とした島原半島の山岳地帯で、天草を含む三方を海で囲まれていることから、さまざまなパノラマを楽しめます。明治時代には、スイスアルプスを思わせる爽やかな環境と、安全で安価な避暑地として当時の外国人客に人気だったようです。こういった自然環境が国立公園指定以前から、ずっと守られてきました。美しい自然環境に加え、地獄や温泉など火山活動を随所で体感することができるのも、雲仙の魅力です。もともと島原半島は約430万年前から噴火を繰り返してできた火山島だった歴史があります。直近では1990年から約5年続いた噴火活動で、日本一新しい山「平成新山」が誕生し、2009年に島原半島は世界ジオパークに認定されました。美しい自然を守りつつ、火山と共生している地域でもあります。
―90周年を祝うイベントなどはありますか。
〔市長〕まずは3月24日に環境省や県、島原市、南島原市などと協力して90周年を祝う記念式典を開催します。式典では、雲仙の歩みを振り返る講演会、今後の方向性などを議論するパネルディスカッションを開催する予定です。この記念式典を皮切りに、令和6年度は写真展やフォーラムなどを企画中です。さまざまなイベントを通じて、節目の年を盛り上げていきたいと考えています。市民の皆さまには90周年を機に、雲仙が国立公園として守られ、成長してきた歴史を振り返ると同時に、来たる100周年に向けて今後どうしていくべきかを一緒に考えていく節目の年となれば幸いです。
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