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令和六年度(二〇二四年)施政方針(3)

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長野県上松町

■安全・安心な暮らしを支えるまちづくり
基礎自治体である市町村長に課せられた大きな使命は住民の皆さんが安全な環境の中で安心した暮らしを実現していくことと云えます。
近年の地球温暖化の影響による海水温の上昇により頻発・激甚化する豪雨や超大型の台風の襲来など自然災害が毎年のように起こっております。
自然災害や火災等への備えは安全・安心な暮らしを支える最も重要なこととして取組んでいかなければなりません。
当町の災害の歴史を振り返ると、昭和二十五年五月の上松大火など火災が身近なものであり、上松町史においても幾度となく火災の記録が残っています。
そうした頻発する火災が発生した背景には家屋が密集し、屋根の多くが檜皮葺であったことなどが要因であったことに加えて、消防水利の問題、機械器具や施設設備が現在のように整備されていなかったという問題があったと云えます。
そうした歴史も踏まえ計画的に整備を進めて来たところであり、令和六年度においても新たな防火水槽を新設して消防施設の充実を図ってまいります。
また、地域の人口減少とともに、消防を支える消防団を編成する若い人材が年々少なくなってきており、今後も益々少なくなっていくことが全国的な問題となっております。
団員の処遇改善については令和五年度で実施したところですが、今後もそうした確保策と合わせて、少ない人員を補うICTやAIなどのデジタル技術を積極的に活用した活動が求められています。
木曽広域消防署においては人員不足や老朽化した通信指令ステムについて飯田広域消防署と統合したシステムを構築していくことで検討しています。
デジタル技術の活用については町単独では財政的に困難なものがあることから、消防団の意見もお聞きしながら効率的な運用を広域消防署とも連携しながら整備について検討してまいります。
また、地域防災のリーダー的な役割を果たして来た、各地区から選ばれて来た方たちで組織する「連合防火会」が、長い歴史に幕を閉じる予定となっています。
防災や減災に繋がる活動は行政だけでなし得るものではなく、住民の皆さんとともにその意識を醸成しながら取り組んでいく必要があります。住民が加わった組織は災害前、発災時、そしてその後の復旧・復興に繋げていく上で重要なものであり、その備えを強化していく必要があります。
一方で、そうした役割を担う地域の人材不足、特に地区役員として出すには難しいという声が小さな地区から寄せられています。
このことから、自らが進んで地域の防災・減災のリーダーとなると自らの思いを持った方に手を挙げてもらい、住民の方のリーダー的な役割を担っていただく、「(仮)地域防災・減災推進リーダー」を創設するよう検討してまいりたいと考えております。
安全・安心な暮らしを支えるにはそれを守るインフラ整備が必要となります。豪雨などによる土石流災害に対応するため、町内には駒ケ岳を源流とする滑川やその山麓には十王沢など国直轄事業として行っている木曽南部直轄砂防事業が行われております。
また、県事業として、寝覚地区田代沢の砂防堰堤工事が現在進むとともに、島地区のミナミ沢について設計に入るなど計画されているところであります。
町の中で施工される安全のための大規模な施設等を建設していくには、町単独では困難であることから、従来から国や県と連携して来ており、当町の役割として事業によって排出される土砂置き場の用地の確保、或いは地権者や地域住民との調整、意見の取りまとめなど事業を進めるために必要な役割を果たして来ており、今後も事業が円滑に進むように更に連携して取り組んでいく必要があります。
砂防に対する備えと同様に、当町には南北に貫流する木曽川があり、氾濫危険地域の住民の皆様にとって一刻も早い護岸等の施設改修が望まれるところであり、管理者の県へ更に要望してまいります。
加えて南部の下河原地籍には、この四月に移転改築した木曽寮が完成し、周辺には木曽地域の知的障がい者、高齢者、児童養護施設などの社会福祉施設が両岸を挟む形で集中して存在します。
右岸と左岸を結ぶ橋梁を中心としたアクセスは万全なものとは言えず、災害発生時の対応、その後の復旧・復興にはその整備が必要であり、整備に向けた国・県への要望活動を地元住民や関係団体、企業等の皆さんと一体となった期成同盟会を組織し粘り強く進めてまいります。
日常の安全・安心な暮らしを実現するには犯罪行為から身を守るという事が必要です。木曽警察署や交番と連携して「電話でお金詐欺」や交通安全対策を進めて来ておりますが、誰もが犯罪行為に巻き込まれる危険があります。
昨年五月中野市において地域住民、警察官が犠牲となる猟銃による痛ましい事件が発生したことは記憶に新しいところであります。まさに理不尽な理由なき理由で突然命を絶たれるというショッキングな事件が県内で起きました。
そうした事件はそれに留まらず、その後も本人や遺族など関係者が長い間、傷病はもとより、精神的に苦しんでしまうというケースがあるとのことです。
被害を受けられた方たちに対して、一刻も早く平穏な生活を取り戻す一助となることを願い、この度「犯罪被害者等支援条例」を上程することといたしました。
安全・安心は日常生活を送るうえでの基盤であり、それはハード対策、ソフト対策を織り交ぜながら住民の皆さんに協力していただき協働の下、国、県、関係団体等と連携しながら更に進めてまいります。

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