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令和六年度(二〇二四年)施政方針(4)

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長野県上松町

■生き生きと暮らせるまちづくり
二〇二五年には、第一次ベビーブームの時期に生まれあらゆる分野で日本の成長をけん引してきた団塊の世代が七十五歳以上の後期高齢者となり、超高齢化社会が訪れます。
超高齢化社会の訪れは相当前に既に予測されていたものであり、そのために医療・介護などの社会保障費の見直し、消費税などの税制改革などを通じて国を挙げて取り組んで来たところであります。
そうした社会の訪れを予測して対策を講じて来たものの、急速な現役世代の人口減少や働き手が不足することに加え、働き方改革により労働者不足という深刻な問題が起こっております。
また、家庭環境の変化は、働く世代が高齢者や子どもの医療・介護に当たらなければならないということが労働生産性の低下を引き起こし、大きな経済的な損失を招いています。
町では十八歳未満の児童生徒、障がい者やひとり親世帯を対象とした福祉医療費の助成について一レセプト当たり五百円の窓口負担をいただいておりましたが、令和六年八月から自己負担を全額補助に変更します。また、医療の在り方の一つとして試行的に実施しているオンライン診療を木曽病院と引き続き連携して進めてまいります。
更に、新型コロナ感染は引き続き地域社会への影響が大きいことからワクチン接種の助成をインフルエンザ接種と同様に希望者に接種の助成を行うとともに、健康な人であっても五十代以降免疫力が落ちることで罹ると云われている帯状疱疹についても新たに接種希望者に対して助成することとし、自らの健康づくりを考える契機になることに繋がればと思います。
高齢者が生き生きとして地域生活を送るためには医療機関への受診や買い物支援、公共交通機関の足の確保が重要となります。
当町では買い物支援についてNPOに委託して支援しており、自宅からなかなか出かけられることが無く、会話をしながら買い物をするという以前だったら当たり前のことを楽しみに待っている方々がおりますので、令和六年度も継続して行ってまいります。
また、移動の手段として公共交通機関を必要とする高齢者や障がい者、子どもたちがいます。公共交通機関の主なものとしてはバス利用があり、その目的の主なものは通院のためという利用実態が報告されています。
一方では、バス運転手の高齢化や人員数が不足するという問題がありますが、町では、町公共交通活性化協議会に参画していただいているおんたけ交通、おんたけタクシーなど事業者の協力を得ながら実態に合った運行を検討しながら進めて来ております。
バス利用に当たっては多くの方が利用されている木曽病院までの運賃を以前には片道四百円であったものを二百円に軽減するなどの措置を講じて支援して来たところであり、来年度も同様に継続した措置を行い、利用促進を図りながら公共交通の活性化に努めてまいります。
コミュニティバス倉本線に繋がる町内便の吉野・焼笹線については、新たな交通移動方法として昨年七月から一部地域を対象としたデマンドタクシーの実証運行をしてきましたが、対象地区を全町に拡大し、実証実験を継続的に行うこととしました。
これにより定時定路線で運行していた便は一部路線が廃止されることとなりますが、より地域の実情に応じたものになるものと考えており、実証運行を検討しながら進めてまいります。
高齢者の移動手段であるバス路線を中心とした地域公共交通の充実は生活路線でもあり、観光的な路線利用も含め木曽地域全体の課題であり、現在、県が主催する木曽地域交通活性化協議会において幹線バスの在り方や新しい運行システムについて研究・検討されており、町としても積極的に参加し新たなデマンドタクシー実証運行とも連携、調整しながら進めてまいります。
加えて、公共交通として役割を果たしているJRについて、高校生の通学に係るダイヤ編成などの問題に加え、木曽福島駅以外にエレベーターが無いなど高齢者や障がい者、更には急増しているインバウンド旅行者の皆様に負担をかけている実態から、木曽地域公共交通活性化協議会を通じて更に継続した要望活動をJR東海、県、国に対して取り組んでまいります。

■持続可能な産業を創るまちづくり
才児牧場用地を活用した民間事業者の養豚農場整備は当町にとって農業のみならず、観光業など産業構造を大きく変えることに繋がるものと期待するものであります。
改めて当町が秘めている可能性について視点を変えることで未来に繋がるものがあり、時代が求めている持続可能な地域づくりを通じて新しい町の方向性が生まれてくるものと信じているところであります。
自然再生可能エネルギーである小水力発電による売電による収益を、地域に還元することで地域振興に繋がることが吉野小水力発電所建設で示されたことから、自然再生エネルギーについて関心を寄せる企業と連携しながら取り組みを積極的に進め、事業化について検討してまいります。
また、そのような取組みや各種イベントを通じて地元商工業者、企業等の活性化を促すとともに、そのけん引役を商工会に果たしていただくため、商工会の助成事業を継続して実施してまいります。

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