■暮らしやすい快適な環境を生むまちづくり
急速な人口減少下にあっても、暮らしを維持していくために必要な施設等のインフラを計画的な方針の下に適正な維持・管理をしていくことが求められています。
橋梁等について従来から点検を行い、その結果に基づき優先順位を定めて計画的に進めて来ており、財政状況も踏まえながら今後も進めてまいります。
また、来年六月には伊勢神宮御神木祭が執り行われる予定で進んでおり、観光的にも赤沢自然休養林が全国的に注目されるものと考えられることから、そこへのアクセス道路について現在傷んでいる箇所や木製ガードレールなどを修繕していく必要があり、木曽森林管理署と調整を進め、整備してまいりたいと考えております。
老朽化した総合文化センター改修や下河原運動場整備については計画的に進めていくことから新年度において設計管理を行い、後年度それに基づいた改修をしてまいりたいと考えております。
加えて長年の間、地元から要望のあった消防団旧一分団詰所、子どもたちが自然の中で遊べる天狗山公園の遊具の設置など人が集える場所の整備に取り組んでまいります。
また、インフラ整備については多額な経費を要し、財政的にも限られることから、財源の捻出を工夫しながら進める必要があります。橋梁の長寿命化への対応では国庫補助の活用、BandGプール機械設備修繕についてはBandG財団の支援、吉野地区小水力発電の維持修繕については売電収入を充てるなど財源の確保に努めてインフラ整備に対応してまいります。
■予算提案説明
令和六年度上松町一般会計予算から令和六年度上松町下水道事業会計予算まで、六会計の当初予算の概要について説明を申し上げます。
まず、令和六年度の上松町各会計の予算額につきましては、一般会計、国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計、奨学金特別会計、水道事業会計、下水道事業会計の六会計合計で五三億三,二二一万六,〇〇〇円となり、前年度比三.三七%、一億八,六一三万二,〇〇〇円の減となりました。
■令和六年度上松町一般会計予算
▽総括
一般会計の予算総額は、四一億六三〇万九,〇〇〇円と、対前年度比一.六%、六,六八〇万二,〇〇〇円の減となりました。
▽歳入
歳入の主なものとしては、町税が前年度比三.三%、一,九三一万円増の五億九,八一六万五,〇〇〇円、地方交付税は、過去の実績や国の地方財政計画に示された数字等を勘案し、前年度比二.七%、五,〇〇〇万円増の一九億三,〇〇〇万円を見込んでいます。
繰入金については各種基金からの繰入れ三億二,二三九万九,〇〇〇円を予定していますが、その内、財政調整基金から繰入れは昨年度と同額の二億四,〇〇〇万円となっています。
諸収入としては、吉野水力発電所の売電契約が成立する見込みから、売電収入一,三三五万五,〇〇〇円を新たに計上致しました。
町債については、前年度比九,六三〇万円減の四億二,七〇〇万円を予定しています。長期的な財政安定化のために借り入れの抑制を図ってきている所ではございますが、定住促進や観光振興、橋梁・町道改修等の投資的事業への充当を行いました。
▽歳出
歳出では、「第六次上松町総合計画」及び「基本構想」の具現化を目指し、施政方針で述べた重点項目を軸として予算編成を行いました。
新規事業については先程の施政方針でも触れた部分もございますが、町の課題解決に向けた主な取組についてご説明申し上げます。
人口減少や安心して住み続けられる環境づくり、地域の活性化といった喫緊の課題に対しては、昨年度に引き続いて田代地区で「世帯向け住宅の建設」を行うほか、観光振興策として「寝覚の床拠点整備工事」に着手します。
また、地域の足の確保を図るために、「デマンド乗り合いタクシー」の実証実験の範囲を全町に拡大し、効果的な施策の検討を行います。
福祉、保健分野では、「犯罪被害者等支援金」の創設や、「福祉医療費」の実質無償化「帯状疱疹や新型コロナワクチンの予防接種」の助成、妊婦や子育て中の親、小中高校生の悩みの支援のための「産婦人科・小児科オンライン相談」等を新たに実施します。
次の世代を担う子どもや若者の支援としては、高校生の「通学費等の助成」や小中学校「給食費の無償化」、「未満児保育の希望者全員受け入れ」等の施策を引き続き実施するほか、「大学等を卒業して地元に戻る人に対しての支援金」や、「奨学金の返還支援制度」を創設します。
また、二酸化炭素削減への取り組みとして、上松保育園に太陽光発電設備を設置するとともに、保育園と小学校体育館の照明のLED化工事を実施します。
厳しい財政運営が続く中ではございますが、将来にわたり持続可能なまちづくりを意識して、この町に住んで良かったと、住民が幸せを感じることができるまちづくりを進めて参ります。
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