■村上 直也 隊員
こんにちは。地域おこし協力隊の村上です。僕は昨年末から企画政策係と連携して町内の空き家についての調査を行ってきました。昔ながらの建築や家具に目がない僕としては、一軒一軒町内の住宅をみて回ることはとても刺激的でたくさんの想像も膨らみます。古い建物は、現在の建築技術では省略されてしまった構造や当時の時代背景に沿った素材にしか出せない内外観をしており、それらがとても個性的で、そこに価値を見出す人たちがいるのも事実です。また、そういった住居には古い家具などが残っていることが多いです。実際町内の空き家の敷地内には雨風にさらされている古い家具の姿もちらほら確認できました。今日はそんな古い家具についてのお話です。
僕自身古い家具が大好きで、構造やデザインの勉強にもなるので古道具屋さんで古い家具を買ったり、知り合いから貰ってきたりもします。ガタついているところは丁寧に解体し再び接着、汚れている部分は洗浄し、壊れている部材は作り直して自宅の家具として再利用しています。
古い家具は若者にも人気で、僕も地元の友人からおすすめの古道具屋さんをよく聞かれます。「結婚して同棲するので、古い家具で揃えたい!」なんて言われることも何件かありました。初めての同棲で古道具でインテリアを揃えるなんて、なんとナイスなセンスをお持ちのお2人なんでしょう。そこで、僕の地元の関西でも古道具屋さんを探して長野県のお店と比較してみました。マンションやビルが立ち並ぶ地元と比べ、長野には古くからの住宅などが多く残っているので、古い家具もそのままそこに残っていることも多いです。それもあってか、日本の古い家具を扱うお店が関西よりも非常に多いです。空き家からそのまま引き取ってきたような家具なので状態はそこまでよくないものもありますが、量や価格の点では個人的には長野県の圧勝です!かなり変わった視点かと思いますが、これが僕の長野県の好きなところの一つでもあります。(逆に港が近いことや客層からか、海外の高級な輸入アンティーク家具のお店などは都会に多いです。)
古道具を語りだすと止まらなくなってしまうのでこの辺にしますが、最後に、木製の家具は二酸化炭素をたくさん吸い込んで成長した木材からできています。これをごみとして燃やしてしまうと、二酸化炭素がまた放出されてしまいます。さらに、当時の職人さんの技術で1点1点作られた個性あふれる家具たちは、この先減っていく一方です。そういった家具は歴史の資料であり、長い年月使い込まれた風合いはそれらにしか出せません。使わなくなった文机や箪笥をテレビ台にしてみたり、ボロボロで座るには不便な椅子には植物を置いたり服を置いたり…最近僕は古い小さなちゃぶ台や引き出しなど、携帯性のある古家具をキャンプ道具として取り入れてみたりもしています。和の古道具を上手に取り入れると、人とはかぶらないキャンプスタイルも作れておすすめです。写真は一部ですが、30年〜100年程度昔の古道具も現役で自宅で使っていたりします。
視点を変えるとまだまだ使える古いおうちや古い家具、まだまだ使いたいと思っている人もたくさんいるので、今は使っていないおうちや古い家具をお持ちでしたら、一度見直してみてください!
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