「この魚、やわらかくておいしい!」「野菜が甘くて、これなら食べられる!」と教室で給食を頬張る子どもたちの姿。毎日の給食が楽しみのひとつだという子も多いのではないでしょうか。
今回の特集は「給食と食育」をテーマに、栄養満点な上田の給食を作る人と施設を紹介するとともに、家庭での朝食の大切さをお伝えします。
■第二学校給食センターが42年ぶりに新しくなりました!
第二学校給食センター(昭和56年築)は、施設の老朽化に伴い、令和3年から改築工事を進めてきました。令和6年1月から、新しい施設が稼働し、給食の提供を開始します。
◆どんな施設になっている?
調理エリアを、清潔な作業をする場所と食材の下処理や洗浄をする場所に分け、作業の流れを明確にし、衛生管理機能を高めました。また、今までの施設にはなかった食物アレルギー対応専用の調理室や食育ホールを整備しました。
厨房機器だけでなく、食器や食缶も新しくなり、食缶は保温性が高く、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく提供することができます。
▽煮炊き調理室
14台の大きな釜で、煮物・汁物・炒め物などを作ります。
▽食物アレルギー対応室
食物アレルギー対応食の提供ができるようになり、卵と乳のアレルギー対応を開始します。対応食は対象児童に確実に届くよう、専用容器で学校へ届けます。
▽焼物・揚物・蒸物室
焼く・蒸す・煮るなど、さまざまな調理ができるスチームコンベクションオーブンや、大型の揚物機を備えています。
▽食育ホール(2階)
実際に調理をしている様子を見ることができる見学窓があります。栄養、郷土食などについて学ぶ展示スペースもあります。
▽野菜類下処理室
野菜の洗浄を行います。魚や肉を扱う部屋と分けています。
▽洗浄室
食器、食缶などを専用の機器で洗います。
◆今後の工事予定
令和6年度以降、旧施設の解体工事と解体後の外構工事を予定しています。工事車両の出入りなどでご迷惑をおかけしますが、引き続きのご理解をお願いします。
所在地:上田市古里(現在の第二学校給食センターの隣接地)
平面計画:
1階…調理エリア
2階…食育ホール、会議室
調理能力:6,000食/日
対象校:小学校15校
◆栄養教諭、調理員の皆さんがこだわりを持って作っている「学校給食」。
市内小学校においしい給食を届ける第二学校給食センター栄養教諭のお二人にお話を伺いました。
▽給食の献立を考える際のこだわり
八巻栄養教諭
給食では和食・洋食・中華と幅広いメニューを提供するだけでなく、季節のもの・旬のものをはじめとしたいろいろな食材を使用しています。
各家庭で食べるものは、食材を購入する人の好みや家族のリクエストなどによって、バリエーションが少なくなってしまうこともあるので、多くの食の経験ができるよう、たくさんの食材を使い、調理法も工夫しています。
特に小学生は味覚形成の大切な時期。苦味や酸味は経験することで身に付く味覚のため、低学年のうちにいろいろな食材に触れることが大切です。酸味のある料理はまろやかにして食べやすくしたり、苦みのある野菜の味付けを工夫したり、子どもたちが豊かな食の経験をできるように給食を作っています。
▽調理におけるこだわり
小森栄養教諭
野菜をたっぷり使うように心がけています。一日に必要な野菜の量の40%以上を給食で食べられるよう献立を考えています。
第二学校給食センターでは6000食を作りますが、食材に合わせて手切りと機械切りを使い分け、時間をかけて丁寧にだしをとります。朝早くから下ごしらえをして、煮干し・かつお節・香味野菜などを煮出しただしを使います。カレーやシチューも、小麦粉とバターを炒めた手作りルウで作ります。
問合せ:
運営について…第二学校給食センター【電話】25・1287
工事について…教育総務課【電話】23・5100
◆学校給食負担軽減事業を実施しています
令和5年度は学校給食費の改定をしましたが、引き上げ分の24円は保護者負担をお願いすることなく、学校給食負担軽減事業を実施しています。
しかし、4月以降も牛乳や主食などの毎日提供される固定費が上昇し、さらなる物価高騰も重なり、主菜や副菜などおかずに充てる金額が減少してしまっています。そこで、8月以降の学校給食費に1食当たり22円を追加交付し、栄養バランスや質、量を保った給食を提供できるようにしています。
▽1食22円の積算根拠
主食と牛乳の単価上昇分12円+物価動向に係る上昇分10円=22円
問合せ:学校保健給食課
【電話】23・5173
<この記事についてアンケートにご協力ください。>