■伊那谷の伝統文化「すがれ追い」を後世に継承する
山口政幸(やまぐちまさゆき)さん
今回は、伊那市地蜂愛好会の会長であり、伊那谷の伝統文化である「すがれ追い」を後世に継承すべく活動している、西箕輪羽広地区在住の山口政幸さんを紹介します。
「すがれ追い」とは、「地蜂」と呼ばれるシダクロスズメバチとクロスズメバチを追いかけ、その巣を見つける活動です。蜂をおびき寄せる生イカ等の餌を木に取り付け、餌に蜂が止まった後、目印となる綿や発泡樹脂付きの肉団子を巣に持ち帰らせます。蜂が持っている目印を追いかけ、巣を探し出します。大人が大勢で声を上げながら蜂を追う様子は、迫力があります。
山口さんは、この「すがれ追い」を始めて65年の大ベテランです。地蜂愛好会の会長として、「すがれ追い」の文化を後世に継承しようと、毎年7月末頃に一般の方も参加可能な「蜂追い大会」を市内で開催しています。その時採った巣は、8月から10月にかけて大きく育て、毎年10月末に開催され、一般客の見学も可能な、伊那市地蜂愛好会の「巣コンテスト」に出品します。令和5年10月に開催された「巣コンテスト」には、27人の会員が39個の巣を出品し、その大きさを競いました。
「すがれ追い」の継承に熱心に取り組んでいる山口さん、メディアへの出演や大学での講演も積極的に取り組まれ、「すがれ追い」に参加する人が増えるよう活動をしています。また、地蜂の保護を目的とし、愛好会の役員さんとともに、冬季に女王バチを保護し育て、会員に配布する活動も行っています。
「愛好会は皆仲良く、いい雰囲気で活動を行っている。健康に気を付けずっとすがれ追いを行い、伊那谷の文化を守っていきたい」と語る山口さんです。伊那谷の伝統文化「すがれ追い」を皆さんもやってみませんか。
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