■大洞山清水庵
「大洞山清水庵」は、中坪公民館から東へ約1.5km進んだ中坪区米垣外にあります。かつては、養泰寺と言いましたが、天台宗から曹洞宗に改宗した際に、現在の名前に改めたと伝えられています。本尊は秘仏で、京都清水寺、播磨国清水寺と同一の木から彫刻したものと伝えられています。
この寺が創建された由来は明らかではありませんが、さまざまな伝説があり、本尊を造った仏師が東国へ来た際に、自ら創建したという言い伝えや、寺伝によると京都から本尊が東方に飛来し、この地に止まったという話もあります。
天正10(1582)年には織田信忠(おだのぶただ)の兵火に遭い大部分を焼失しましたが、かろうじて本尊だけは助かりました。そのため、菩薩自ら飛脱したと言い伝えがあります。
この寺には、格子天井の絵画、坂本天山の賛による文麗公の書、白鳥白駒の観世音の掛け軸、井上井月の書いた大きな句額といった貴重なものがあります。その他にも、マリア地蔵のようなものがあり、隠れキリシタンの遺物ではないかと言われています。
「大洞山清水庵」は、多くの歴史と文化を感じとれる場所となっています。皆さんもぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
(参考資料:手良誌、伊那の民話・伝承)
※地図など詳細は、本紙またはPDF版28ページをご覧ください。
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