■絵本作家に聞く芸術文化
北部子育て支援センター内の壁画を描いたことから本市と関わりを持つ、絵本作家のaccototoさんに、壁画に込めた思いや芸術文化活動の魅力などについて聞きました。
[accototo(アッコトト)ふくだ としおさん+あきこさん]
◇子どもの素直な反応がうれしい
としおさん:壁画を描くことや読み聞かせなどいろいろな活動をしています。どれも絵本製作から派生したものです。主な活動の絵本では、私たちの絵本を読んだ子どもから、「おもしろかった」と頑張って自分で書いた手紙が来たときはうれしかったですね。子どもは忖そんたく度なく素直に喜ぶので、子どもたちの素直なうれしそうな反応が、私たちにとってもうれしいです。
あきこさん:1作目の絵本を出してから20年が経ちました。私たちの絵本を読んだ子どもが、大人になって、保育士として私たちの絵本を子どもたちに読み聞かせしていると聞いたとき、とてもうれしかったですね。
としおさん:私たちの絵本は翻訳され、ベトナムや中国など海外でも出版されており、海外の子どもたちが読んでいる姿を思い浮かべることができるのもうれしいです。
私たちは物心付いたときから、絵を描いたり何か作ったりすることが好きで、それが今も継続して活動につながっています。
◇塩尻市の子どもたちはずっと近い距離感が印象的
としおさん:壁画作成時にワークショップをして、読み聞かせを行いました。子どもたちがすぐに慣れて、初めから距離感が近いことがとても印象的でした。
あきこさん:地域によっては、ずっと遠い距離感のまま終わってしまうこともありますが、えんてらすでの読み聞かせでは、子どもたちが集中して聞いてくれました。塩尻市の子どもたちは読み聞かせに慣れていたので、たくさんの本に触れているとすぐに分かりました。
◇壁画のどこを切り取っても会話になるように
としおさん:北部子育て支援センターは、親子で来る場所なので、壁画のどこを切り取っても会話になるように意識しました。また、柱と空間の雰囲気を壊さないように気を付けました。子どもたちは細かいところまで気付くので、アリをたどることができるようにしたり、見つけて楽しむことができるように小さいアリを10匹隠したり、遊びを入れています。ぜひ、柱を回って絵を楽しんでください。
◇思い付いたらすぐ行動を
あきこさん:これから芸術活動を始めたい人は、思い付いたらすぐ行動をすることが大事だと思います。
としおさん:写真でいえば、スマホで手軽に撮ることができるので、悩まずにやってみることが大事です。
あきこさん:何でもいいので、ワークショップに行ってみることをお薦めします。興味を持てるものが見つかることもあります。参加者から情報を得ることもできます。そして、自分の直感を信じてください!
としおさん:子どもは、自分の思った通りに描き、特徴を捉えたものや味のあるものができるので、私は子どもは芸術家だと思います。何か作るときに、自分の子どものころを思い出して行うといいかもしれません。
◇芸術は心を豊かにするもの
としおさん:芸術は衣食住とは違い、なくても生きることができますが、生活に潤いを与え、心を豊かにします。ぜひ芸術を始めてほしいです。
◇accototoさん直伝! 絵を描くコツ
描くもの(実物)をよく見る!
・どのような質感かよく観察する
・光と影はどうなっているか など
見る力⇄描く力
よく見て描くと、まず見る力が向上。見た物を描こうとして描く力が向上。描く力が向上すると、より見て描くため見る力が向上。この繰り返しで上達する!
周りにある物の見方も変わって新しい発見があるかも。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>