「歩く速度が以前よりも遅くなった」「転びやすくなった」と感じることはありませんか。それは、介護が必要になる前の「フレイル」かもしれません。今回は、電子機器のゲームを使ったeスポーツと運動によるフレイル予防をお伝えします。
■健康寿命を延ばすために
右のグラフ1は、令和元年から3年までの本市の健康寿命の推移を示しています。健康寿命は日常生活に制限のない期間の平均のことをいい、健康寿命を延ばすことで、平均寿命との差を小さくし、元気で自由に生活できる期間を延ばすことができると考えられます。健康に活動できる期間が長くなれば、旅行や山登りなどの趣味を楽しむことができる期間が長くなります。そのために、運動機能の維持や認知症予防に早期に取り組む必要があります。
◇グラフ1 本市の健康寿命の推移
出典:国保データベース
※各年の数値は、3年後方移動平均値です。
■健康と要介護の境目
フレイルは加齢と共に心身の活力(筋力、認知機能、社会とのつながり)が低下し、生活機能障害、要介護状態などの危険性が高くなった状態です。「足腰が弱まった」「うつ状態だ」「最近孤独を感じる」などさまざまな要因からフレイルにつながります。また、健康な状態から介護が必要な状態の中間地点ともされており、まさに寝たきりになってしまう一歩手前の状態です。フレイルが進行して要介護状態になると、健康な状態に戻ることが難しくなります。
■三つのフレイルで老いが進む
フレイルは大きく分けて3種類あります。一つ目が「身体的フレイル」です。筋肉の衰えが主な例で、高齢になると筋力は自然と低下していきます。(グラフ2参照)
二つ目が「精神・心理的フレイル」です。高齢になり、定年退職やパートナーを失うことで、うつ状態や軽度の認知症の状態などになることを指します。推計では年が経つにつれて認知症の人が増加するとされています。(グラフ3参照)
三つ目が「社会的フレイル」です。加齢に伴い社会とのつながりが希薄になり、独居や経済的困窮の状態などになることをいいます。
これら三つのフレイルが連鎖し、老い(自立度の低下)は急速に進みます。老いとは、決して体の問題だけではありません。自分の状態と向き合い、予防に取り組むことでその進行を緩やかにし、健康に過ごせていた状態に戻せます。
次のページからは、eスポーツを取り入れたシニアeスポーツ教室と自分の運動レベルに合わせて参加できる介護予防教室をご紹介します。
◇グラフ2 筋量・筋力の変化イメージ
参照:公益財団法人長寿科学振興財団「加齢に伴う筋量・筋力の変化のイメージ図」
◇グラフ3 認知症の人の推計
参照:厚生労働省「認知症の人の将来推計」
■認知症チェックリスト
このチェックリストは、認知症の初期症状かどうかを自分や家族で簡単にチェックすることができるリストです。次のような症状がないか、チェックしてみましょう。
合計が9点以上の人は認知症の初期症状があるかもしれません
※このチェックは目安ですので、気になることがある人はかかりつけ医などに相談してください。
問合せ:長寿課介護予防係
【電話】0263 0280(内線)2133
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