~高校生と振り返る歴史~
昭和、平成、令和…。時代を超え、本市の広報紙は全国広報コンクールで入選を重ねてきました。市民と市政をつなぐ広報。今回は、高校生広報アドバイザーと共に入選8作品を振り返ります。
※詳細は本紙またはPDF版を参照してください。
(1)昭和61(1986)年
9月号で特集したのは、現代にも共通する「物価高」。特に野菜に焦点を当て、キャベツやレタスなどの値段が高いことを伝え、「なぜ産地なのに?」の答えを深く追求した記事を展開しています。約40年前の記事ですが、丁寧な取材から野菜の流通問題をあぶり出すなど、行政の枠にとらわれない内容になっています。
(2)昭和63(1988)年
11月号の特集は「見つめていますか あなたの健康」。塩筑医師会副会長や市民のインタビューを多く載せ、対話型の紙面に。中心市街地活性化の一環として、当時オープンしたばかりの施設「ヘルスパ塩尻」の紹介で締めくくっています。専門家や市民の声、市政の情報発信をバランス良く盛り込んでいます。
[東京都市大学塩尻高校3年生 原 凛羽さん]
塩尻市は野菜の産地なのに高かったのは意外ですね。うちには固定電話がないけど、当時の電話アンケートにもびっくり。
(3)平成2(1990)年[日本一!]
各都道府県代表の中から日本一(特選)に輝いた10月号。当時の国際問題「米の輸入自由化」が山場を迎えた時期に、生産、流通、消費の話題をグラフや表、市民インタビューを交えて掲載。最後はおいしい米の炊き方を紹介するなど、国際問題から身近な暮らしの話題までに至る構成力が高く評価されました。
(4)平成15(2003)年
7月号で大門商店街を特集した「銀座通り昨日今日明日」。統計分析などで話題を深掘りし、市民リポーターと実際に商店街を歩いてみての対談記事で硬軟のメリハリも。動き出した中心市街地活性化の市民ワーキンググループの話題で未来への余韻を残しました。文章、写真、レイアウトに加え、審査評では「並々ならぬ企画力」と高評価。
[東京都市大学塩尻高校3年生 カンポス 紗智さん]
今と昔じゃ景色が全然違う。この特集を読むと、昔の大門商店街にタイムスリップしたような気分です。
(5)平成17(2005)年
12月号で特集したのは、本市の街道の歴史などを取り上げた「道が出会うまち塩尻」。昔から交通の要衝だった本市の立地に着目し、歴史や塩尻の語源、そばや漆器、工業、医学などに及ぼした影響など幅広い話題を掲載。若者目線を意識した雑誌風のレイアウトと飽きさせない紙面展開も工夫されています。
(6)平成19(2007)年
地球温暖化をテーマとした8月号の特集。地元の高校の取り組みや温暖化のメカニズムを紹介しています。ブドウやレタス栽培に与える影響やごみ問題、地元企業や市民団体の取り組みなど、多彩な話題で紙面を構成。それまでの入選作品にはないカラーページも採用し、地球規模の課題について住民目線で考えさせられる特集です。
[東京都市大学塩尻高校3年生 高見 紘生さん]
地球温暖化に対し、僕たちの先輩が時代に先駆けてエコな乗り物を作ったことや身近な企業の取り組みを知れました。
(7)令和4(2022)年
初の高校生広報アドバイザーを起用した10月号の特集「私たちが伝える木曽漆器」。全ページフルカラーで、洗練されたデザインと若々しさが浮き出る紙面が読む気にさせます。伝統的な木曽漆器や職人の世界を、若さの象徴である高校生たちが明るく現代的に表現。構成力の高さがにじみ出る内容です。
(8)令和5(2023)年
前年に引き続き、多数の高校生広報アドバイザーが伝える10月号の特集「地産地消ってどんなこと??」。地元食材の紹介に始まり、ワイン
を使ったジェラート作りに挑む高校生と企業の話題や、地元食材の味を生かしたレシピを掲載。SNSのハッシュタグで紙面に彩りを加え、若い読者の「読みたくなる」を得る工夫もしています。
[東京都市大学塩尻高校3年生 神原 愛梨さん]
自分たちが登場したこともあって、読みやすくて地産地消を身近に感じられました。使っているフォントも可愛い!
■新しい広報も始まっています
ホームページ上で、スライドが自動で動く広報のコーナーを始めました。随時更新していきます。
■市立図書館本館で特別展示
市立図書館本館では、昭和39年の市報しおじり創刊号(右の写真)以降を常時ご覧いただけますが、次の期間中は本特集掲載の8作品を特別展示します。
期間:7月16日(火)~30日(火)(水曜日・7月22日(月)を除く)
問合せ:秘書広報課広報広聴係
【電話】0263—52-0333
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