8月5日(月)・6日(火)に、市内の中学校の生徒による広島平和教育研修を行いました。研修の様子と参加した生徒の平和への思いをお伝えします。
※詳細は本紙またはPDF版を参照してください。
■中学生が体感する広島の歴史
本市では、平和で明るく住みやすい郷土の発展を願い、昭和60年に「平和都市推進の宣言」をしました。また、平成6年度からは広島平和教育研修を行っています。
この研修は、市内の中学校の生徒が戦争の悲惨さや平和の尊さについて現地で学ぶとともに、広島市で開催される平和記念式典に参加するものです。平和のために自分にはどんなことができるか、そして戦争や核兵器の悲惨さをどのように後世に伝えていくかなどに思いを巡らせます。
■平和への思いを伝える「平和を考えるつどい」
戦後79年が経過し、戦争を知らない世代が大多数を占めるようになりました。広島市を訪れ、原爆被爆者からの講話や資料館の見学などを通じて、平和の尊さ、戦争や核兵器の悲惨さを感じた中学生。8月11日(日)にえんてらすで行われた「平和を考えるつどい」の第一部「平和祈念のつどい」では、それぞれが感じた平和への思いを発表しました。
第二部では筑波大学名誉教授の伊藤純郎さんから、「桔梗ヶ原の青春~大陸の花嫁と女子拓務訓練所~」と題した講演があり、平和について考える一日となりました。
■主な研修日程
◇8月5日(月)
・中・高校生ピースクラブの皆さんによる原爆被害の説明と原爆被爆者による被爆体験の講話
・原爆の子の像へ折り鶴の奉納
・広島平和記念資料館の見学
◇8月6日(火)
・平和記念式典に参加
・平和記念公園と原爆ドームの見学
■研修に参加した中学生が語る平和への思い
広島平和教育研修に参加した12人の中学生の皆さんが、研修を通して感じた思いを紹介します。
◆塩尻中学校
▽佐藤 隆寛(たかひろ)さん
平和な社会を実現し、継続していくためには、戦争がどのような悲劇を生み、残酷さを与えるかを知り、私たちができることを考え、行動する必要があると思います。戦争の悲しい現実を身近な人に知ってもらうことが、平和への第一歩だと思います。
▽水間 育実(はぐみ)さん
研修中に「核兵器の廃絶」という言葉を多く聞きました。79年前の出来事が二度と繰り返されないためにも、核兵器は廃絶されるべきです。自分たちが当たり前に過ごせているありがたさを実感し、自分たちにできることがあることを伝えていきたいです。
◆丘中学校
▽佐世 一花(いちか)さん
原爆で亡くなった生徒の日記を読んだ時、悲しくて自然と涙が出てきました。掛け替えのない「日常」がある日突然奪われてしまったのです。まずは、私にできることから始めていこうと思います。もう二度と、掛け替えのない誰かの「日常」を奪わないために。
▽竹内 善輝(よしき)さん
資料館を見学しましたが、見るも無残な光景が広島で起きていたと思うと恐ろしく、改めて今の日本が平和だと実感しました。この出来事を二度と起こさないためにも、私たちは戦争を後世に伝えていき、その恐ろしさを風化させてはいけないと思いました。
◆広陵中学校
▽宮澤 咲希(さき)さん
平和のために日常生活で心掛けたいことは、「人を大切にすること」「感謝の気持ちを忘れないこと」です。肌の色、言語、価値観など、自分と全く同じ人は一人もいません。意見を尊重し合うことや、困っている人に手を差し伸べることが必要だと思います。
▽坂上 琥珀(こはく)さん
学校でいじめやいじりを無くしていくこと。家族、友達、仲間などさまざまな人たちと思いやりを持って関わり合うこと。近いところから小さな平和をたくさんつくり、その輪を徐々に広げていくことで、やがて世界中が平和になっていくと思います。
◆塩尻西部中学校
▽石井 皇名(こうめい)さん
戦争は、心身に傷を負わせ、悲しみ、痛みしか生み出しません。今こそ、この星に住むすべての人が戦争について知り、学び、伝えることや、話をよく聞き、協力し合うことが大切です。誰もが当たり前の生活を送れるよう、平和への一歩を踏み出しましょう。
▽内藤 絢萌(あやめ)さん
この2日間で、戦争についての私の考えは大きく変わりました。広島で感じたことなどは文化祭で伝えます。1人でも多くの人が戦争について知り、平和への意識を持つことで、平和の連鎖は広がっていくと思います。私たちにもできることはあるのです。
◆両小野中学校
▽坂西 友那(ともな)さん
実際に自分の目で見たものは、本や動画よりもグッと刺さりました。今が平和であることは、当たり前ではないと改めて実感しました。「微
力であっても無力じゃない」。なので私は、身近な人に、見て学び感じたことを積極的に伝えていきたいと思いました。
▽山田 妃乃(ひめの)さん
研修では、教科書や先生が教えてくれること以上の大切なことを学びました。自分から行動を起こさないと世界平和は訪れません。これからの時代をつくるのは自分たちということを自覚して、学んだことを忘れずに未来を切り開いていければと思います。
◆楢川小中学校
▽伊藤 心美(ここみ)さん
被爆体験者の高齢化が進む中、若い世代の私たちの小さな力こそ、平和へと導くカギとなると考えます。小さな力で起こせる大きな意味を持った行動をしていきたいと思ったし、できるだけ多くの人に伝え、平和へと導いていける人になりたいと思いました。
▽小林 郁仁(いくと)さん
原子爆弾がどれだけ危険な兵器であるのかを目の当たりにし、この出来事を再発させてはいけないと感じました。研修で学んだことをもとに、まずは自分の身近なところからどんな発信ができるか考え、平和について考える輪を広げていきたいです。
問合せ:総務人事課行政係
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