令和6年9月議会、村長提案説明内容を抜粋してお知らせします。一般質問・審議内容等は議会だよりをご覧ください。
今年も猛暑日が続き、日本各地でゲリラ豪雨による災害が頻繁に発生しています。朝日村でもお盆の13~15日には、短時間でしたが連日の集中豪雨による土砂災害が3件発生しました。土砂災害危険区域に指定されていない住宅地裏側の法面が崩壊し、2軒の庭先に土砂が流れ込みました。その他、畑の法面崩壊が2ヵ所と畑への水害が多数発生した状況です。雨量は1時間当たり27mmと災害基準となる20mmを超える雨量であり、それが短時間でも3日間続くと災害が発生するという教訓となりました。
今回の災害復旧費用は約1,600万円となり、住宅地裏法面の緊急対応は専決処分で、その他は補正予算で復旧工事を行います。また、農作物への被害は1・5ha、約100万円となりました。
主幹産業である野菜生産は、春先の上雪により苗の作付けに遅れが出るなどの影響がでましたが、7月下旬に行われたJA野菜販売対策会議によると、4月5月の天候の回復により出荷数・売上金額とも前年比微減で抑えられたとのことでした。今後の台風等の影響がない事を祈り、より良い収穫に期待したいと思います。
今年も各種夏の行事が行われました。お夏まつりや各分館主催の納涼祭は、コロナ明けで大盛況であった昨年を上回る盛況ぶりであったと思います。その他、鉢盛山登山マラソン・ヤマメのつかみ取り・ヤマメ釣り大会と主催者やボランティアスタッフの皆さんのご苦労の賜物で、各行事とも成功裏に終了しました。関係者皆様のご苦労に感謝申し上げます。
■村づくりに関わるテーマ
次に、将来の村づくりに関わる大きなテーマが幾つかありますので、現状を説明したいと思います。
(1)診療所建設計画
1つ目は、村民の皆さんや議会の承認をいただき、無医村にしないための公設民営の診療所の建設計画です。現在、建設に関する事と医師の選考に関する2つの委員会を中心に協議が進められています。9月半ばには建設場所や医師の採用について公表できる見通しです。その後建物の設計・建築と進め、令和8年度に診療所が開業できるよう進めます。
(2)小水力発電計画
2つ目は、民間企業体による小水力発電の計画です。計画では御馬越の三俣の堰堤から取水し、下流の発電施設まで約1kmを県道の地中に埋設した導水管で結び、約50mの落差で発電し、水を全量鎖川に戻すという計画です。取水時には約1kmの間鎖川の水量は減少しますが、必要最少流量は国が定めた基準の3倍とし、環境への影響を極力少なくする計画です。
村といたしましても、この計画はゼロカーボンビジョンにある、地球温暖化の原因であるCO2削減(この事業では680kw・1,000世帯の電力量、500t/年・杉の木20万本のCO2削減)に寄与でき、国や県が定めたカーボンニュートラルの実現の為に必要な事業と捉えております。
これまで、御馬越地区で説明会を数回開催し、住民の皆さん等の意見を基に数回の設計変更と地区要望を取り入れ、地元の同意を頂けましたので全村民向けの説明会へと移行してまいりました。今後の対応として、いただいた多くのご意見に対しての回答を含め、継続して地元地区を含めた全村民へ最終設計案や進捗状況を丁寧に説明してまいります。
また、新たに環境保全の観点から事前調査の要望が挙がっています。今まで基本的な考え方として、環境省が定める環境アセスメントが必要な発電所の規模は3万kw以上で、今回の小水力発電は680kwと小さいため調査の必要はないとしてきましたが、住民合意のために調査は必要と判断し、調査について会社側と協議を進めたいと思います。環境調査の結果を踏まえ専門家を含む第三者による意見も求め、行政として最終判断を行います。
その他、奈良井川漁協の同意も必須事項であるため、引き続き協力依頼をしてまいります。
(3)企業誘致
3つ目は、企業誘致計画です。
松本市島内にある食肉加工センターの移転に伴い、誘致を進めてまいります。私たちのゴミを焼却している松本クリーンセンターが老朽化を迎え新施設に更新する時期となり、現在の食肉加工センターの敷地を新たな焼却場建設地とするものです。焼却施設の耐用年数が迫っており早急な対応が必要です。その移転候補地として、4市町村の4か所に候補地が挙がりましたが、朝日村原新田の下原が最有力候補地となりました。現在、地下水等の調査が開始されています。
県・全農長野・食肉公社から地権者説明会、近隣住民説明会が行われ、希望者による食肉加工施設の先進事例である京都市中央食肉市場の視察を行いました。
今後、調査結果と計画案の提示を受け、地権者・全村民へ向けた説明会の開催を行ってまいります。村といたしましても、焼却場の早期課題解決と優良企業の誘致の両面で誘致を進めてまいります。
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