■公民館館長
◇魅力ある公民館活動を皆さんの手で
1年前の今頃は、新型コロナの感染拡大状況に気を配りながら様々な制約の中で公民館を運営していたことが思い出されます。5月になってようやく新型コロナが指定感染症の5類に移行したことで、以前のような公民館活動ができるようになりました。
5~7月にかけて行われた4年ぶりとなる分館交流スポーツ大会は、区や公民館役員さんの献身的なご努力により全ての地区で無事に開催することできました。改めて感謝申し上げます。しかし、3年間ブランクがあった影響はやはり大きかったようです。文書がうまく引き継がれていなかったり、運営を経験した役員さんがいなかったりと様々な困難が生じていました。
そんな中、私は、開会式の会場に他地区の公民館役員さんの姿があるのを何度も目にしました。不思議に思って声ををかけてみると、「自分たちは運営した経験がないから他地区を学びに来た。」というのです。色々な予定もあるでしょうに、貴重な休日にわざわざ足を運んでくれた役員さん達のその気概に、私は深く感動しました。それと同時に、アフターコロナの公民館活動再生の鍵はここにある!と思いました。どの地区でも役員が毎年変わるため、公民館行事はどうしても前年度踏襲になりがちです。この際、間が空いてしまったことを前向きにとらえてみてはどうでしょうか。引き継がれた情報が少ないことを嘆くのではなく、内容を見直すチャンスにするのです。他地区がどんな活動をしているのか学び合ったり、情報交換し合うことで、これまでの伝統に加えて、新しい活動を創造していくのです。多少困難も伴うでしょうが、新たな活動を作り上げたやりがいや達成感は計り知れず大きなものがあります。私もコロナ禍の中、前例のない活動(夏休み中に市内5つの小学校に出向いて行う講座)を実施してきました。体験活動の場が減った子ども達を何とかしたいという思いからです。
幸い、大勢の子どもや保護者が支持してくれています。
公民館活動の活性化は地域の活力につながります。役員さんはもとより、地域住民みんなの力で、公民館活動を盛り上げていきましょう。
■講座の紹介
◇出汁の魅力講座
1月5日に王鷲美穂(おうわしみほ)先生をお招きし、市内小学生を対象に削りたてのかつおぶし・かつお出汁のお鍋・おかかごはんを作りました。
また、手削りを体験することで、和食文化に触れる良い機会になりました。
◇大人気のステンドグラス講座
子ども講座の中でも特に人気が高く、受付開始初日に定員に達してしまうほどです。12月の講座ではクリスマスツリー型のアクセサリーを作りました。自分の好きな色ガラスを組み合わせて形にできるのが魅力で、参加者は約2時間夢中になって制作していました。
◇第20回新春書き初め大会
20回の節目を迎えた新春書き初め大会を1月5日に開催しました。
今年は、小学生から大人まで50名を超える参加者があり、会場となった中央公民館講堂はほぼ一杯になりました。
■地区公民館を訪ねて
《北御牧公民館》
この数年、自粛を強いられてきた公民館活動も、新型コロナウイルス感染症が、昨年5月に5類感染症に変更されたこともあり、本年度、コロナ禍前に行っていたほとんどの活動を再開しました。
▽分館交流スポーツ大会(令和5年7月)
前日の降雨の影響によりマレットゴルフは中止となってしまいましたが、360歳野球とソフトバレーボールの2種目を行いました。各々5分館と4分館が参加し暑い中熱戦が繰り広げられました。
▽生涯学習作品展(令和5年10月)
公民館の会議室やホールを会場に、8団体と個人3名に出品をいただき、2日間延べ162名の方にご鑑賞いただきました。
▽公募絵画展「北御牧を描く」(令和5年11~12月)
コロナ禍の下での市民交流サロンの活用として始まり、昨年で3回目を迎えました。45名に出品いただき、29日間、延べ490名の方にご鑑賞いただきました。
▽冬季スポーツ大会(令和6年3月)
この記事を読まれる頃、東御市では唯一の冬季のスポーツ大会を開催します。
■お知らせ
◇公民館のインターネット予約が始まります
令和6年度(5月中旬予定)より、中央・滋野・祢津・和・北御牧の各公民館・青年研修センターの予約は、インターネットからの予約となり、紙ベースの予約は廃止されます。詳細は二次元コードを確認してください。
※二次元コードは本紙参照
■市民大学だより
◇参加者みんなで筋肉体操
12月3日に「NHKみんなで筋肉体操」でお馴染みの谷本道哉(たにもとみちや)氏を講師にお招きして今年度最後の市民大学講師の指導で身体を動かす体験型講座を行いました。健康づくりに関心をお持ちの方々150名が集まり、講師の説明を聞いたり、一緒に身体を動かしたりと内容の濃い講座を体験しました。
■おらほのお宝発見
◇東御市の建造物(2)
東御市文書館 文書館専門員 堀田雄二
前回は指定・選定・登録された建造物について記してきましたが、今回は未指定の文化財のうち、指定等に相当する建造物について触れてみたいと思います。
田中の駅前通り・商工会のはす向かいには、木造三階建ての「東上館(とうじょうかん)」があります。外壁は下見板張りで、一階北東隅の洋間には上下開閉式の窓があり、天井には綺麗な細工が施されています。この建造物の玄関の照明の上部にも、「シーリングメダリオン」が綺麗に残されています。製糸業を営んでいた家のいわば迎賓館として大正3年(1914)に建築され、今年で110年になります。屋根は瓦葺きで、屋上には一対のしゃちほこが立派に建っています。一階の洋間以外は和室で、和洋折衷建築と言えます。現在駐車場になっている場所に、この家の立派な主屋が建てられていましたが、昭和初期に解体され、県外に移築されたとのことです。
この他にも、滋野駅前の元滋野郵便局は、外壁が下見板張り・窓が上下開閉式の市内に数少ない洋風建造物の一つです。木造二階建ての内部は一部改造されてはいるものの、ほぼ建築当時の形状を残しており、後世に残したい建造物です。
この北東側約2kmにある「旧唐沢医院」は、JA滋野支所の土蔵・コイン精米機の東側にあり、外壁はコンクリート造・内部は木造の総二階建てで、最近外壁は修理したものの、ほとんど改造されていません。医院としては短期間の役割しかなかったようですが、その後も一族で維持・管理されています。この建造物の玄関の照明の上部にも、「シーリングメダリオン」が綺麗に残されています。
これらの他にも、貴重な未指定建造物が市内にいくつも建っており、歴史の遺産として残し、後世に伝え、さらには有効に活用されることを期待しています。
編集:生涯学習課 社会教育・公民館係
【電話】64-5885
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