■幅広い世代が学べる公民館講座に
時代の変化とともに、公民館の役割も変わりつつあります。
人生百年時代に突入し定年が延長されつつある中で、働く世代や子育て世代の学習の場や機会の確保が喫緊の課題になっています。
そこで、公民館では、これまでの講座運営を見直し、幅広い世代のニーズに対応できる講座開設の試みを始めました。
1 子ども・親子講座の拡充
夏休みに、市内の5小学校に出向いて行う「小学校出前講座」や夜間・休日に開催する親子講座を始めました。3年間で約1300名の受講生を集めています。
2 気軽に参加できる単発講座
通年だと受講しにくいという人向けに用意した1回~数回完結型の講座です。「季節に応じた料理」や、「美味しいコーヒーのいれ方」、「美容(メイク)」など幅広い内容を企画しています。年間100名を超える受講がありました。
3 スマホ・パソコン講座
持っているけど使いこなせないという人向けの人気講座です。少人数で講師の説明も丁寧と好評です。
[情報の入手方法]
開設時期はそのつど市報とうみ、ホームページ、メール・ラインサービス、学校から配布されるチラシ、中央公民館設置のチラシ等から情報を得てください。
◇公民館のインターネット予約が開始されました
インターネットで公民館の利用予約が開始されました。
利用団体として登録していただければ、公民館に来館しなくても、ご自宅や職場からいつでもどこでも公民館の予約ができるようになりました。
予約は年末年始の休館日を除く利用日の3日前までの受付となります。
■おらほの歴史探訪
◇「東御市の無形文化財」(1)
前市文書館専門員 堀田雄二
今回は無形文化財のうち、特に貴重な文化財について触れてみたいと思います。
「文化財なのに無形?」と思われる方も多いかと思いますが、これが意外と多いのです。文化財の中には、形の無いもの、例えば、工芸品などの技術・歌舞伎などの伝統芸能・各地で行われている祭礼・演劇や音楽などのうち、文化を形成するうえで貴重なものを「無形文化財保持者」「無形民俗文化財」「無形文化遺産」などとして指定し、大切に保護育成をしています。
東御市で、第一にあげるのは、「宮入法廣(みやいりのりひろ)」刀匠でしょう。宮入さんは平成23年(2011)に「長野県無形文化財保持者」に認定され、現在も精力的に作刀を続けられています。大学を卒業後、重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)である隅谷正峯氏の下で5年、父の宮入清宗氏の下で9年修業を積んだのち、東御市に鍛錬場を設立されました。平成7年(1995)に39歳で無鑑査刀匠に認定され、平成22年(2010)に新作名刀展において正宗賞を受賞されました。この間、平成8年(1996)に旧北御牧村で、平成16年(2004)には東御市で指定を受けられています。作刀技術もさることながら、古代・中世・近世の刀剣類の復元にも熱心で、日本各地の博物館や研究施設などからの依頼を受け、当時の制作技術・金属成分の分析の上に立った復元は、高い評価があります。
次に忘れてならないのは、祢津の「東町歌舞伎保存会」の活動です。「舞台見るなら西宮へ、芝居見るなら東町へ」と長く言い伝えられてきましたが、「西宮の歌舞伎舞台」は昭和57年に、「東町の歌舞伎舞台」は平成2年に長野県有形民俗文化財に指定されています。西宮が文化13年(1816)、東町が文化14年(1817)建立された、現役の歌舞伎舞台としては国内最古・第二の貴重な舞台ですが、その保存もさることながら、東町では歌舞伎公演をほとんど自ら上演し、それを長く続けてきていることが大変貴重です。さらに、祢津小学校の歌舞伎クラブの活動への全面協力をはじめ、浄瑠璃・三味線・化粧などの後継者育成にも熱心に取り組まれています。
この他にも、金井の火まつりや有津倉(大石)のお念仏、加沢の念仏講も地域に根付いた東御市指定民俗文化財に指定されています。
■令和5年度 分館報コンクール審査結果・講評
◆全体評
◇親しみやすい分館報が増えました
昨年5月に開催した分館報編集担当者研修会において講師から「ぐっとよくなる5つのポイント」が示されました。(1)目を引く「表紙」(2)文字情報は最小限(3)カラーには勝たん!(4)ファンがつく「連載」(5)とにかく写真をドンッ!研修を受けた担当者は、これらを意識して編集されたのだと思います。全体の傾向として、明らかに分館報の質が向上していました。その結果、4年度は入賞が1分館だった和地区から4分館が入賞した点が注目されます。今後、互いの良さを学び合うことで更なるレベルアップが期待できます。
◇地域住民をつなぐ分館報に
入賞することが目的でないことはもちろんですが、公民館報が「世界一身近な広報誌」として地域住民をつないでいく役割を果たしていくことが求められています。その意味でも、各分館報の質が向上し、より多くの皆さんが手にとってくれるようになれば、こんなにうれしいことはありません。プロが作るような出来映えは不要です。住民の顔が見え、住民の声が多く掲載されるような、そんな分館報がこれからも増えてくれることを願っています。
※詳しくは本紙またはPDF版をご覧ください。
編集:地域づくり支援課 地域コミュニティ推進係
【電話】64-5885
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