■アラウンドいいやま
瑞穂地区 東海林 和幸(とうかいりんかずゆき)
▽飯山で走る暮らし
私の一日は、早朝のランニングから始まります。走るコースはさまざまで、季節やその日の体調、気分、時間によって、あっちへ行ったりこっちへ行ったりしています。週5で走りますが、堤防だったり、田んぼ道だったり、山の中に入ってみたりと、飽きるどころか毎日のように飯山の景色に感動しています。休みの日には仲間と近場の山々や峠を走ったり歩いたり。斑尾エリアや信越トレイル、高社山に万仏山、小菅山、毛無山と周りは遊び場だらけです。
▽毎日が小さな冒険
そんな日々を過ごしていると、「この道はどこへつながっているんだろう」とか「あそこからあそこへ行くにはどの道を行けばいいんだろう」と好奇心が芽生え、小さな冒険を繰り返すようになります。飯山には古くから人々の生活を支えてきた峠道や農道、山道がたくさんあり、今ではほとんど使われなくなったような道も多くあります。そんな道を通ってみるのもワクワクして楽しいのです。出会うのは人ではなく、もっぱらカモシカ、キツネ、タヌキ、アナグマなどの獣達です。
▽アラウンドいいやま
そんな小さな冒険を通じて、いつしか「飯山を囲む山々をつないでみたらどうなるんだろう」と思うようになります。約1年かけていろいろな道を探して地図を調べ、人に聞き、歩き、そして走りました。そしてできあがったルートを「アラウンドいいやま」と名付けました。距離約107キロメートル、獲得標高は5600メートルほど、飯山の市街地から見える山々を全て自分の足のみで踏破(とうは)します。6月末に仲間達と試走を行い、9月末に2日間にわたってイベントを開催しました。トレイルにダメージを与えない少人数制、タイムや順位を競うレースではなく、それぞれのスタイルで純粋に山での冒険を楽しめるイベントとして。
参加された方からは「素晴らしい原風景の連続」「きついけど山ごとに変化があって楽しかった」という言葉をいただき、私も飯山で暮らす一人の住人として本当にうれしくなりました。
これからも、そんな冒険の共有を通じて、飯山の素晴らしい自然環境と景色を発信していきたいと思います。また、我々の遊び場として使わせてもらっているトレイルの整備も積極的に行っていけたらと考えています。
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