「もっと住みやすい地域にしたい」「まちや地域の魅力を高めたい」「仲間と楽しいことがしたい!」。皆さんのそんな思いをサポートするのが「町民主体のまちづくり活動支援事業」です。町内におけるコミュニティ活動の活性化を目指すもので、活動費用などの補助を通じて自発的な活動を支援しています。
誰かを助けたい、地域を良くしたいという行動はもちろん、単純に「これがしたい」「楽しい!」を入り口にした活動も大歓迎。人が集まることで新たな交流や居場所が生まれ、明るく住みやすい地域につながるかもしれません。また、学生を対象にした「若者まちづくり活動」では町内外問わず、若者ならではの柔軟なアイディアの実現による地域課題の解決やまちづくりを応援します。
活気ある地域をつくるためには、無理なく、楽しく行動を続けることが大切。一人一人が主役となり、「なりたいあなたに会えるまち」を作りましょう!
■新たな地域コミュニティーの創造と背中で教える地域人材教育
湯澤正農夫さん(地域応援隊)
私たちは出原地区で、個人の農地や公営地の草刈り、支障木(※)除去、農地の再生支援などの活動に取り組んでいます。出原地区では高齢化が進み、生産・労働人口が減少しています。また、自治組織に加入していない家庭も増えています。
近年、全国各地で大規模な地震や大雨による災害が発生していますが、災害が起こってしまった際、被害拡大を防ぐためには、自分自身の身を守る(自助)と共に、地域や近隣の人々が互いに協力し合いながら防災活動に組織的に取り組むこと(共助)が必要です。しかし自治組織に加入しない家庭が増えたことで「あの家には誰が住んでいるかわからない」という状況も生まれ、危機感を感じていました。そうした中で考えたのが新たな地域コミュニティーの確立です。既存のコミュニティーには入りづらい方でも、自主的に楽しく参加できる新たなコミュニティーがあれば、地域との関わりも持ちやすくなるのではないかと考えたのです。
メンバーは30代〜80代の男女15人。中には新たに転居してきた方もいます。持ち主が高齢になり運営できなくなった畑の再生や、後継者がいない畑の草取りなど、ご家族からの依頼を受けて最低限の賃金で作業をします。いただいたお金は作業に出たメンバーへの報酬や楽しみのために使い、町の補助金をビーバーの刃や燃料などの経費として使っています。
「空いている人ができることを。無理なく。流汗快飲を目指す!」がモットー。この「地域応援隊」から生まれたものはたくさんあります。何より、作業で汗を流した後に飲むビールは最高!スポーツや趣味の後に飲むビールも良いですが、周囲からの「感謝の言葉」を背負って飲むビールは満足度が違いますね。
また、作業の合間にお茶を飲みながら、仕事や趣味の話など、世代を超えて会話する機会が増えました。この活動を始めてから地域内で「困っとるなら手伝うに」という、昔ながらの「結の関係」も復活しつつあります。近所のじいちゃんやばあちゃんが一生懸命働くことで高齢者への信頼や尊敬の気持ちも高まりますし、大人が頑張っている背中を子どもたちが目にすることで、自然と地域人材教育にもつながると考えています。
各地区に応援隊が生まれることを願い、団体名にはあえて出原の名を入れませんでした。こうした活動が町内各地に広がることを願っています。
※私有地などから道路にまで枝葉がはみ出している木
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