■ゆかりの地を訪ねる
第一田名部小学校では昭和62年から修学旅行等を通じて会津若松市との交流が行なわれています。今年度9つのグループに分かれ、事前に会津若松市や福島県について学習した6年生51名は、両市のパンフレットを作成するなど、自分の興味があることを学習し、実際に見て触れて、貴重な経験をしました。こども達からは「天守閣が何かも知らなかった」「鶴ヶ城の天守閣から見た景色がとても良かった」「現地に行ってもっとつながりを調べたいと思った」という感想の声を聞くことができ、会津若松市が自分達にとって特別な場所となったことが伝わってきました。
■下北を照らす灯
むつ中学校の生徒13名が、下北地域の歴史を取り入れたオリジナルの演劇を11月に会津若松市河東学園センターで上演します。この演劇には、国の重要文化財である東通村の尻屋埼灯台の建設に斗南藩士が関わっていたという歴史を多くの人に伝えたいという思いが込められており、むつ中学校の木村教諭が制作したオリジナルの脚本です。昨年度の文化祭で上演したところ、地域の方々から「もっと多くの人に見てもらいたい」という声が上がり、姉妹都市盟約締結40周年を記念して、会津若松市での上演実現に至りました。
会津ゆかりのこども達が先人の歴史と想いを伝えるべく上演に向け演技を猛特訓中です。
◇北原役
吉内 縁(きちない えにし)さん
先生に「北原役で出て欲しい」と言われ思い切って参加してみました。会津や斗南藩のことは全然知らず、唯一知っていたことと言えば「白虎隊が自刃した」ということのみでした。そこに壮絶な歴史があったことを知り、自分でも後世に伝えていきたいと思うようになりました。
良い演劇にしたいし、仲間と協力して創り上げてきたものなので絆を大事にしていきたいと思います。
◇山川 浩役
蛯子 央望(えびこ おうせい)さん
担任の先生に声をかけてもらったのが参加のきっかけでした。尻屋崎の灯台や戦争の背景は自分なりに調べました。会津には暗く悲しい印象がありましたが、それでも皆懸命に生きていたということを知ることができました。
「正しく伝える」ということを最も意識してきたのですが、11月の上演では「演じる」ことを課題にして挑みたいです。役になりきれるよう、頑張ります。
◇中野竹子役
畑中 咲陽(はたなか さや)さん
演劇やミュージカルが好きで参加しましたが、演じているうちに会津や斗南藩をもっと身近に感じるようになりました。当時の人に近づけられるように中野竹子について調べたりもしました。会津藩・斗南藩にまつわる場所にも行ってみたいです。
ステージで演じるのは11月が最後になると思うので、強くて頼りがいのある、今までで一番の竹子になれるように頑張ります!
■「柴五郎」を演じる
会津藩士の子として生まれ、田名部で少年時代を過ごし、陸軍大将となった柴五郎(1860~1945年)を題材にした市民劇「世界を一つに~柴五郎の生涯~」では市内の小中学生が出演者の中心となり、10月20日(日)に下北文化会館で上演されました。
◇柴 五郎役(第一幕)
森 彩乃(もりよしの)さん
ひとつのものをみんなで創りあげることがかっこいいと思い自分から柴五郎役のオーディションへ応募しました。
演技を通して、ここ(むつ市)にこんなにすごい人がいたんだ!という不思議な気持ちです。会津から斗南へ来た柴五郎が、苦労しても懸命に生きた物語をもっとみんなに知って欲しいです。
◇劇団わらび座 栗城 宏(くりき ひろし)さん
市民劇「世界を一つに-柴五郎の生涯-」の演出を手がけた。福島県出身で入団から8年間役者として活躍した後、主に作演出に携わっている。
自分が福島県出身ということもあり、郷土の歴史を演劇として脚本制作できたことに対して縁を感じています。配役を決める際のオーディションでは、こども達がとても意欲的で驚きました。脚本もこども達メインで書き直すなどの苦労はありましたが、一緒に創りあげたいという想いがあります。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>