日々の近所づきあい、地域の行事やお祭りなど、私たちは様々な形で他者とのつながりを築いています。今回は「世代間交流」にスポットを当て、今別町でのつながりについて考えてみたいと思います。
■「世代間交流」って何?
世代間交流とは、「様々な世代の人々がお互いに協力して働き、助け合うこと」「高齢者が身につけた知恵やものの考え方を若い世代に言い伝えること」「それぞれの世代がお互いに自分たちが持っている能力や技術を出し合って、自分自身の向上と周囲の人々・社会に役立つような地域づくり活動」などと説明される交流の形です。子ども世代、青年・若年世代、中・高年世代といった異なる世代の人々による、地域や自分たちに良い影響を与えるお互い様の活動が世代間交流であるといえます。
■人も地域も元気になる!?
「人とのつながりがある人は元気でいきいきとしている」ということは想像に難くありません。「あの人の生きがいは友達と過ごす時間かも…」といった心当たりがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際に、地域などで他者との交流を行っている人の方が精神的に健康であるという研究結果が出ています。さらに、同年代とだけ交流している人々よりも、様々な世代とも交流をしている人々の方がより精神的に健康な状態にあるとの結果も出ています。
次は、地域づくりの面から世代間交流をみてみましょう。自分の世代が経験したことを知ってもらう、そして、自分の世代以外の経験を知るという「お互いを理解する」ことが世代間交流では行われます。これにより、世代の分離・分断、高齢者の孤立、子どもと地域が疎遠になることなどの問題が解消されると考えられています。加えて、同じ地域で支え合って生きる「地域共生」の意識を高める効果もあるとされており、地域コミュニティを育てる方法の一つとしても注目されています。
世代間交流を行うことは、人と人とが世代や分野を超えて丸ごとつながって支え合う「地域共生」の実現に近づく第一歩となるのではないでしょうか。
■今別町での世代間交流
今別町でもたくさんの交流が行われていますが、最も大規模なものとして「荒馬」を通してのつながりが挙げられます。8月に行われた荒馬まつりでは、町内の老若男女が一丸となって盛り上げました。当日はもちろん、事前の準備や打合せ、荒馬の練習など多くの人々の協力・支え合いがありました。さらに、県外にある大学のサークルやその卒業生、関東にある小学校の児童たちも参加し、荒馬を通じて新たな関わりが生まれたり、これまでのつながりがより強いものになったりしたと思います。荒馬を通じて生まれたたくさんの交流には年齢・世代の壁はなく、お互いを尊敬する気持ちがあったのではないでしょうか。
荒馬まつりの様な大きなイベントだけでなく、普段の挨拶やおしゃべりも立派な交流です。皆さんの日常には、たくさんの人々のつながりが隠れています。そのつながりが皆さんの人生や今別町を豊かにしています。
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