◆「食事と糖尿病について」
寄稿:柿崎 雄介さん(かきざき糖尿病内科クリニック 院長)
日本人は欧米人と比べ糖尿病になりやすい人種です。遺伝的に膵臓(すいぞう)からインスリンを分泌する力が弱いからです。ですが、戦前まで糖尿病は「ぜいたく病」と呼ばれ、ごく一部の人たちの病気でした(ちなみに日本人最初の糖尿病は平安時代の貴族、藤原道長だったと言われています。今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」で柄本佑さんが演じています)。
戦後になると、生活習慣の変化、特に食生活が欧米化し肥満が増えたことで糖尿病はこの50年間で40倍に増えました。遺伝的背景(家族歴)に環境因子(肥満)が加わると、糖尿病の発症リスクが高まります。血のつながった家族に糖尿病のかたがいて、かつ、体重が20歳の頃と比べて10kg以上増えたことがあるかたは要注意です。食生活の改善は、血糖値を良くするばかりでなく、肥満の是正にも重要です。
食事のポイントはたくさんありますが、今回はその中で効果的な1つをお伝えします。それは「間食をやめること」です。お菓子や果物などを食事の合間に摂取すると、そのつど膵臓がインスリンを分泌しなければならず、膵臓が疲弊してしまいます。結果、血糖値が上がります。果物は軽く片手に乗るくらいの量を「食後のデザートとして」摂りましょう。お菓子はとりあえず、週1~2回までなら「OK」、といたします。間食の摂り方を変えるだけで、糖尿病のクスリが減る人もたくさんおられます。ぜひ試してみてください!
(このコラムで、「糖尿病」とは2型糖尿病を指します)。
※「柿崎 雄介さん」の「崎」が環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。
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