■早期発見早期治療は命への思いやり「糖尿病性腎症重症化予防」
寄稿:冨山月子さん(内科おひさまクリニック院長)
人工透析を始める人は、令和3年からは約4割が糖尿病性腎症によると言われています。糖尿病性腎症が進行している人は、網膜症や神経障害など糖尿病の他の合併症も進行し、脳卒中や心筋梗塞、狭心症なども合併しやすくなります。
そこで、行政と医療機関が協力して、糖尿病性腎症重症化予防の取組が行われています。糖尿病の早期発見、早期治療、治療を継続して良好な血糖のコントロールを維持し、合併症の発症進展を防ぎ、腎不全や人工透析への移行を予防し、健康寿命の延伸を図ることが目的です。
まず、市町村や健康保険組合が「人工血液透析の予備群と思われる人」を見付けます。健診で糖尿病疑いまたは糖尿病を指摘されても医療機関を受診していない人、糖尿病の治療を中断している可能性のある人、糖尿病で腎不全や透析になる可能性の高い人に対して、保健師などから電話や手紙で連絡があります。
担当の職員は、医療機関受診を勧めたり、病気を悪化させないための食事や運動についての指導を行ったりします。連絡を受けた人は、将来透析に至ることを防ぐ機会を得たと思って、担当者の話をよく聞き、安心して生活習慣や医療機関の受診についても相談してください。
問合せ:青森市医師会
【電話】017‒777‒1501
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