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歴史の小箱 No.432

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■日本遺産「箱根八里」をご存知ですか
「日本遺産をご存知ですか」と聞かれたら、多くの人が「世界遺産なら知っているけれど、日本遺産は聞いたことがない」「日本遺産は世界遺産登録を狙っている日本のいいものかな」といった答えをされると思います。「世界遺産」と「日本遺産」、言葉としてはよく似ていますが、考え方はかなり違います。
簡単に言うと、「世界遺産」は文化財(文化遺産)そのものの価値付けを行い、保存することを目的にしたものです。オーストラリアのグレートバリアリーフ、中国の万里の長城、アメリカの自由の女神やグランドキャニオンなど有名なものが多くあります。
それに対して「日本遺産」は、地域に点在する文化財や伝統文化を分かりやすく魅力的なストーリーとして発信することによって観光客を呼び込み、地域の活性化や経済の振興を図ることを目的としています。そのため、「忍びの里 伊賀・甲賀ーリアル忍者を求めて」や、「関門『ノスタルジック』海峡~時の停車場、近代化の記憶~」、「地下迷宮の秘密を探る旅~大谷石文化が息づくまち宇都宮~」といった、面白いことがありそうで行ってみたくなるような名称が並びます。
三島市は函南町・箱根町・小田原市と協力して、「江戸時代の東海道のうち、小田原宿から三島宿まで(通称箱根八里)を歩くと、石畳の道や一里塚、甘酒茶屋や箱根関所、雄大な富士山の眺望や松並木が次々と現れて当時の旅を追体験できる」というストーリーと、文化財を活用する計画をまとめて、日本遺産の申請を行いました。そして平成三十年五月二十四日に「旅人たちの足跡残る悠久の石畳道ー箱根八里で辿る遥かな江戸の旅路ー」が認定を受けました。これが日本遺産「箱根八里」です。
左上の写真は「箱根八里」を構成する文化財の石畳です。現代の舗装道路に慣れた私たちには歩きにくい道ですが、江戸時代の人々にとっては、ぬかるみの道に石を敷いたことで、ずいぶん歩きやすくなったようです。徳川将軍家に献上された象がこの道を通って江戸まで歩いた話は有名です。
先にも述べた通り、日本遺産「箱根八里」は江戸時代の旅を追体験できる魅力あふれる場所ですが、標高八百四十六メートルの箱根峠を超える、約三十二キロメートルの道のりを一度に歩くのは大変です。何回かに分けて歩く、車に乗って興味のある文化財だけを見学に行くなど、自分に合った方法で楽しんでいただきたいと思います。この秋、あなたも日本遺産の魅力に触れてみませんか。
※写真は本紙35ページをご覧ください。

楽寿園内の郷土資料館では、企画展「新規収蔵品展」を9月29日(日)まで開催しています。

郷土資料館(楽寿園内)
【電話】971・8228

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