■胃カメラのすすめ
内科医 田丸智子
胃カメラは、逆流性食道炎や胃・食道癌、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)など、多くの病気を診断できる検査です。胸やけ、腹痛、黒い便、食欲不振など症状がある人はもちろんですが、症状がなくても受けた方が良い場合があります。
皆さんはピロリ菌という名前を聞いたことがありますか?ピロリ菌は胃に住み着く細菌で、胃癌、胃・十二指腸潰瘍などの原因です。ピロリ菌感染者は感染したことがない人と比べて胃癌になる確率が約15倍と言われていますが、ピロリ菌を治療すると胃癌の発生は約1/3になるそうです。しかし、胃カメラで慢性胃炎、胃癌や潰瘍などと診断されなければ、ピロリ菌の検査・治療を行うことはできません。胃カメラを全く受けたことがない人は、一度はピロリ菌がいないか確認してみましょう。
また、検査では食道も観察できます。煙草やお酒は食道癌の原因ですが、つかえ感や痛みなど症状が出る頃には既に進行していることも多いです。特に、お酒で顔が赤くなる人は食道癌になりやすいとされているので、心当たりのある人は定期的な検査をご検討ください。
最後に、胃癌は日本人のがん死亡原因の第3位ですが、早期発見できれば根治率は高いです。検診のバリウム検査では平らな癌や小さな癌は見つけにくいため、症状がある人、上記のリスクがある人は、定期的な胃カメラをおすすめします。
当院での胃カメラは基本的に予約制です。検査が不安な人は眠っての検査もできますので、気になる方はまずは内科外来へご相談ください。
問合せ先:下田メディカルセンター
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