■今こそ感染対策の基本に立ち返ろう
感染管理特定認定看護師 中田 盛也(なかだせいや)
「人食いバクテリア」の感染者数が過去最高となっている、という話題が世間を騒がせています。感染すると致死率が30%を超えるという恐ろしい感染症です。
この人食いバクテリアの正体は溶連菌(ようれんきん)という細菌です。ときに小児の咽頭炎(いんとうえん)等を引き起こす身近にもよく存在する菌なのですが、稀に重症化することがあり、そのはっきりとした原因は分かっていません。
傷のある皮膚等から直接侵入し感染することもありますが、咳やくしゃみ、会話等で発生するしぶきで感染が広がる呼吸器感染症でもあります。
新型コロナウイルスに対するソーシャルディスタンスやマスク着用等の感染対策が緩和されたことや、人の移動が増えたことも感染増加の一因と考えられます。人食いバクテリアに限らず、昨年はインフルエンザと新型コロナの同時流行もあり、呼吸器感染症全般が増加傾向にあります。
全ての感染対策の基本は、手洗いうがいや必要に応じたマスク着用で病原体が侵入する経路を断ち切ることです。特に、呼吸器症状がある方や基礎疾患をお持ちの方は、人混みでのマスク着用が推奨されます。また、手を洗わずに鼻や口などを触ることも感染の要因となりますので、こまめな手洗いうがいを徹底しましょう。これからより寒さも厳しくなり、本格的なインフルエンザの流行シーズンが訪れます。今一度感染対策の基本に立ち返り、自分と周りの人の健康を守りましょう。
問合せ先:下田メディカルセンター
【電話】25-2525
<この記事についてアンケートにご協力ください。>