◆糖尿病について
糖尿病内科医 井原善明
血糖値とは血液中のブドウ糖濃度であり、食べものや飲物に含まれる糖質の影響を受けます。
糖質は主要な栄養であり、通常であれば、血糖値は適正な範囲に維持されます。
糖尿病は糖質の取り過ぎなどにより血糖が慢性的に高くなってしまった状態で、いろいろな合併症を引き起こすことがあるため治療が必要です。合併症には神経症・網膜症(眼)・腎症・動脈硬化などがあり、生活の質の低下や命に関わる脳や心臓の病気に進展することがあります。
糖尿病は2つの検査項目、血糖値及び1~2か月間の血糖値の平均を反映するHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)で評価されます。基準値は血糖値が70~109mg/dL、HbA1cが4.7~6.2であり、合併症予防の目安としてHbA1c7以下が示されています。
治療の基本は食事療法・運動療法です。食事療法は糖質を控えて野菜を多く摂ることをおすすめします。特に夏場はアイスクリームやゼリー、糖質を含む飲物を摂りすぎないように注意が必要です。運動療法では30分程度の散歩を毎日することをおすすめしています。夏場は朝夕の比較的、気温が低い時間帯に取り組むのが良く、熱中症には十分に注意してください。運動は強度よりも頻度を多くして継続するのがポイントで、負担が軽いものが良いでしょう。
糖尿病は無症状で偶然見つかるケースが多いです。高血糖への対応は早期ほど良いので、元気な方でも健診等を利用した血糖値の確認をおすすめします。
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