■新施設の建設候補地
新施設の建設にあたって、市は、「歴史に学び、現在と向き合い、未来を拓く人を育む」施設を目指して、今年9月に基本構想を策定しました。さらに、10月6日〜12日には市内3カ所で、新施設の設置に関する市民説明会を開催し、設置の目的や概要などを説明し、参加者から意見をいただきました。
基本構想の中で新施設は、常設展示だけでなく企画展示、エントランス展示もできる規模の施設が検討されています。また、来館者や児童・生徒が文化財に興味・関心をもって学べる施設であること、市民の文化活動の展示や発表と連動し、地域の交流拠点となれる施設であること、市内の歴史・観光周遊の拠点となれる施設であること、そして、誰もが安心して利用できる施設であることなども検討されています。
それらの条件を満たしているのが、韮山時代劇場(韮山駅)周辺です。現在、韮山時代劇場となりの大駐車場内を建設候補地としています。
■一体的利活用のメリット
候補地として韮山時代劇場大駐車場を選んだ理由は3つあります。
一つ目は、市内の主な史跡などの中心に位置し、伊豆箱根鉄道韮山駅から徒歩5分で、郷土学習や市内周遊の拠点にしやすいこと(郷土学習との連携、市民・来訪者の利便性)。二つ目は、もともと市有地であるため、用地確保に財政負担が必要ないこと。そして三つ目は、文化発信・生涯学習の拠点である韮山時代劇場と一体的に利活用することで、より充実した活動を展開できるとともに、新施設に講座や体験学習スペースを設ける必要がなく、その分、展示スペースを充実させることができることです。
新施設は、単独利用ではなく、従来の公共交通機関、文化施設、文化活動と連動して、その存在意義を何倍にも高められるのです。
■財政負担の軽減に向けて
新施設を建設するための総事業費は、およそ10〜12億円かかると想定しています。これは、市の年間予算の約5%にあたるとても大きな金額です。しかし、合併特例債※を活用すれば、市の実質負担は3分の1(4億円)程度となります。ただし、合併特例債を活用するためには、伊豆の国市合併から20年以内、令和7年度までに事業を完了しなくてはなりません。合併特例債を活用できるこの機会を逃すと、おそらく今後はこの規模の施設を設置することはできません。そのことからも、現在の計画を進める必要があるのです。
※合併特例債…合併した市町村が新しいまちづくりのために財源として国から借入できる地方債(借入金)。事業費の95%まで借り入れでき、毎年度返済する元利償還金の70%が普通交付税措置されるため、市の実質負担は3分の1となります。
■市長からのメッセージ
▽文化財展示施設は「知」の集積
皆さんも、改めて伊豆の国市の歴史や文化財のすごさをお分かりいただけたでしょうか。私は、博物館とまでは言わなくとも、伊豆の国市の「知」の集積として、文化財展示施設を作る必要があると考えています。
そこに展示・公開される貴重な文化財の数々は、伊豆の国市の文化水準の高さを、広く世間に示すことになります。充実した展示施設には、市内外から多くの来場者が訪れ、伊豆の国市の歴史や文化財のすごさを実感するはずです。そして市民はそれを誇りに思い、郷土愛が醸成されていくと信じています。
新しい文化財展示施設の建設に、皆さんのご理解をいただきたいと思います。
伊豆の国市長 山下正行
問合せ:
文化財課【電話】055-948-1428
企画課【電話】055-948-1413
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