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文化財通信 その232

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静岡県伊豆の国市

■大仁地区の三番叟
三番叟(さんばそう)は、「翁(おきな)」、「千代(せんだい)(千歳(せんざい))」、「三番叟(黒尉(くろきい))」※という役を演じる3人の舞手が、神社などで舞を奉納する民俗芸能です。伊豆半島には、全国的に見ても多くの三番叟が伝承されています。今回は、大仁地区の三番叟について紹介します。
大仁地区で三番叟の奉納が行われているのは、田京区の広瀬神社、三福区の熊野神社、大仁区の大仁神社の3カ所です。それぞれ、秋の例大祭の際に披露されます。3カ所とも基本的な構成は同じで、舞手3人に加え、囃子方(はやしかた)(地方(じかた))と呼ばれる人々が鼓(つづみ)、太鼓、笛、謡(うたい)を演奏します。演じるのは基本的に男性で、区や三番叟保存会によって継承・上演されています。
広瀬神社の三番叟は、11月3日に芸能殿で行われます。千代と黒尉は小学生が、その他は成人が務めます。「式三番(しきさんば)」と呼ばれ、伊豆で最古とされる天保13(1842)年の台本が残されています。また、翁と黒尉が付ける面は、江戸時代初期のものと言われています。
熊野神社の三番叟は、10月の第2日曜日に庁屋で行われます。千代は小学生、三番叟と囃子方は中学生、翁は成人が務めます。明治初期に伊豆市牧之郷の天神社から伝わったとされ、明治32(1899)年の台本が残っており、「種蒔(たねまき)三番叟」と呼ばれています。
大仁神社の三番叟は、11月3日に庁屋で行われます。千代と黒尉を小学生、翁と囃子方を中学生が務め、若々しさが特徴の三番叟です。慶長年間(1596〜1615)に、伊豆半島の金山開発を担った大久保長安という人物が、金山の坑道内の安全や鉱山発展、五穀豊穣(ほうじょう)を願い奉納したのが始まりと伝えられています。大仁地区の三番叟は、一般見学が可能です。地域に伝わる芸能を見学してみてはいかがでしょうか。
※舞手の呼称は地域によって異なります。

問合せ:文化財課
【電話】055-948-1428

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