私たちの住んでいる伊豆の国市には、皆さんご存じのとおり多くの文化財があります。今月から6回にわたり、「文化財課おすすめ文化財」として、文化財課いちおしの文化財を紹介します。伊豆の国市にたくさんある文化財は、市の魅力のひとつです。今回から改めて見直していきたいと思います。第1回目は大平A遺跡です。
大平A遺跡は、大仁地区長者ヶ原にある遺跡で、巣雲山(すくもやま)の西側の下、伊豆の国市と伊豆市修善寺との境界の辺りに位置しています。昭和53(1978)年〜57(1982)年の間に発掘調査が行われ、縄文時代早期から後期(約1万年前〜3千年前)までの遺構や遺物が出土しています。
出土した遺物の中で、市の指定文化財になっているものが、「山形押型文(やまがたおしかたもん)土器」です。全体の約60%が残っていたため、復元をして、伊豆の国市郷土資料館の入口に展示しています(写真1)。
押型文とは、縄文土器の文様のひとつで、鉛筆くらいの太さの棒状のものに文様を彫り、土器の表面に押し付け回転させて付けたものです(写真2)。
この山形押型文土器は、底が尖った深鉢型をしており、土器の縁が外側に反っています。その反っている部分に横向きで押型文が施され、その下は少し間を空けて横向きに押型文が施されています。土器の中間くらいから縦向きで施されています。
縄文土器の文様は主に装飾のために付けられていたと考えられています。これまでの研究によって、土器の文様の構成から時代や地域を特定することができるようになりました。縄文土器を見るときは、ぜひ文様に注目してみてください。
問合せ:文化財課
【電話】055-948-1428
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