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文化財通信 その227

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静岡県伊豆の国市

■山木遺跡の生産・生活用具
「文化財課おすすめ文化財」の第二回目は山木遺跡の生産・生活用具です。山木遺跡は韮山地区にあり、範囲はJAふじ伊豆韮山営農経済センター付近を中心に東西に約1・1km、南北約1・38kmに及びます。昭和25(1950)年に、排水路の工事中に発見され、何度も発掘調査が行われています。
この遺跡では、弥生時代後期〜古墳時代前期(約1,500〜1,800年前)にかけての水田跡や、方形周溝墓、平安時代の水田跡などが発見されています。遺物では土器や木製品が出土しています。その内239点が、昭和41(1966)年に国の重要有形民俗文化財に指定されました。主に、壺や高坏(たかつき)などの土器、梯子(はしご)やねずみ返しなどの建築部材、大足や田下駄などの農具、皿や片口などの容器、杵(きね)や槌(つち)などの日常雑器などの木製品があります。中でも、ねずみ返しは、柱にはまった状態で発見されたので用途の確認ができました。
これらは伊豆の国市郷土資料館にある、温湿度管理ができる収蔵庫に保管しています。
木製品に使用された木材として、柱類は主に耐朽性に優れたカヤ、農具は主に堅くねばりがあるアラカシ、それ以外のものは軽量で加工しやすいスギを多く利用していました。当時から既に木材の性質を理解し、用途によって材種を選んでいたことが分かります。
バリエーション豊富な木製品には、山木遺跡の人々の知恵と工夫が現れているのです。

問合せ:文化財課
【電話】055-948-1428

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