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【脳卒中看護認定看護師に聞く】知ってるようで意外と知らない 血圧のしくみ

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静岡県函南町

寒い日が増えてきました。寒さは血圧にとって厳しい季節になります。血圧について知り、生活の工夫をして、元気にこの冬を乗り切りましょう。

◆血圧の仕組みと高血圧が引き起こす病気
血圧は私たちの体の「心臓から全身に血液を送るための圧力」です。この圧力がないと体のそれぞれの場所に血液が届かず、酸素や栄養も体に行き渡りません。血圧は「1回の拍動で心臓から送り出される血液の量」と「血管の通りづらさ」をかけ合わせたもので決まります。
よく血圧は「水道の蛇口(心臓から送り出される血液)」と「ホース(血管)」の関係に例えられます。水道の蛇口をたくさんひねったり、ホースの先端を指でつまんで細めた時、ホースの先端からは勢いよく水が飛び出してきます。
血圧の単位は「mmHg」と書いて「ミリメートルエイチジー、またはミリ水銀」と読みます。血圧120mmHgは「水銀を120mm押し上げる力」で血管を押していることになります。水銀の比重は血液の重さの約13倍になるため、血圧が120mmHgの時は、約1・5mの高さまで押し上げる力になります。
1分間の脈拍数の平均は、女性74回、男性70回といわれています。私たちは1日約10万回心臓から血液を送り出しています。仮に脈拍数70回とした時、血管は血液を2mの高さまで押し上げる圧力を1日10万回受けていることになります。
血管はこのような高い圧力を長い時間受けることで、次第に傷ついていきます。この傷ついた状態が動脈硬化といい、健康や生命を脅かす病気につながる原因となります。

《家庭では朝・晩の血圧の平均値が135/85mmHg以上であると高血圧》
病院で高血圧かどうかを正しく診断するには、家庭での正しい血圧測定が必要になります。
〈血圧の測り方〉
▽2回測定して平均を用いる。1回の測定の場合その血圧値を用いる
▽背もたれ付きの椅子に足を組まずに座って測る
▽心臓の高さと腕に巻くカフの位置を合わせる
▽測る際は毎回条件を揃えて測る(会話をしないなど)
〈血圧の測る時間〉
血圧は朝と晩の2回の測定しましょう。
朝:起床後1時間以内(排尿後、朝食前、朝の薬の服薬前、座って1〜2分安静の後)
晩:就寝前(座って1〜2分安静の後)

《高血圧が引き起こす病気》
○心筋梗塞、狭心症、心不全
○脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)
○閉塞性動脈硬化症など
○大動脈瘤
○腎不全

◆血圧の値に影響するもの
病院の診察室での血圧と自宅での血圧が違うと感じたことはありませんか。医療機関で、医師や看護師を見て緊張することによって血圧が高くなることを「白衣高血圧」と呼びます。名前を呼ばれただけでも血圧が急激に上昇することがあり、不安やストレスをきっかけとして血圧が上がりやすい状況になっています。
普段の血圧がやや高めの人は白衣高血圧を生じやすいといわれています。このため診察室での高血圧の基準は、140/90mmHg以上と家庭での血圧より基準を高めに定められています。
反対に、診察室での血圧が正常であっても、それ以外の血圧が高い状態であることを「仮面高血圧」と呼びます。仮面高血圧には、早朝高血圧、昼間高血圧、夜間高血圧があります。高血圧と診断されたことのない人でも、10〜15%は仮面高血圧であるといわれています。仮面高血圧では、狭心症や心筋梗塞などの心血管疾患の発症が正常な血圧の人の2〜3倍となり、持続的な高血圧の人と同じ程度になるといわれています。
血圧はさまざまな影響を受けて常に変動するものです。自身で定期的に血圧を測る習慣とともに、環境による変化をどれだけ受けているかを感じることが病気の予防につながります。既に薬を飲んでいる人も飲み方や薬の変更を考える機会となるかもしれません。悩んだときは主治医の先生に相談してみてください。

▼仮面高血圧となる原因
早朝高血圧:アルコール、喫煙、寒冷などの気温、血圧を下げる薬の効き目が短い、立ち上がりによる変動
昼間高血圧:職場での精神的ストレス、家庭での精神的ストレス、身体的ストレス
夜間高血圧:病気による影響(心不全、腎不全、自律神経障害、睡眠時無呼吸、精神疾患など)

◆日常生活で注意すること
高血圧の予防の基本は食事、運動になります。食事では食べ過ぎず、塩分を控えることが大事です。運動は1日30分以上、少なくとも1回10分以上のウォーキングなどの有酸素運動が良いといわれています。
これから寒くなってくると急激な温度の変化が血圧に悪影響を与える「ヒートショック」に気をつける必要があります。トイレ・浴室などが部屋と温度差を少なくなるように準備したり、外に出るときは事前に厚着やマフラーなどを準備してください。

《日常生活ではこんなことに注意‼》
食事:
○塩分を控える(1日6gを目安に)
○食べ過ぎない
○野菜・果物を含めてバランスよく食べる
○コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える
運動:
○1日30分以上、1週間で180分以上を目安に有酸素運動を行う(ウォーキング、軽いジョギング、水中運動など)
飲酒:
○大量の飲酒は控える(1日エタノール20~30mlを目安に)
※ビール中びん1本、日本酒1合、焼酎半合、ワイン2杯
たばこ:
○禁煙する
入浴:
○入る前に浴槽のふたを開け、湯温を41度以下にする
○飲酒の前に入る
○急に立ち上がらない
その他:
○部屋の温度差をなくす
○寒い外に出るときは厚着をしたりマフラーを首に巻く
○睡眠をしっかりとりストレスをためない
○排便習慣をつけ便秘しない

[無料]高血圧予防教室を開催します
日時・内容:
○12月19日(木) 14時~ 15時45分
・高血圧について
・運動のポイントについて
○12月20日(金) 14時~ 15時45分
・生活のポイントについて
・高血圧予防の食事について
・塩分味覚テスト・減塩メニューの試食・ベジチェック測定・味噌汁の塩分測定
場所:保健福祉センター
対象・募集人数:町内在住者・50人(先着順)
持ち物:筆記用具、自身の健診結果、みそ汁(20日の講座のみ、希望者は少量持参してください)
申込み:12月13日(金)までに健康づくり課へ電話または応募フォームでお申し込みください。詳細は、町ホームページでご確認ください。
※二次元コードは広報紙5ページをご覧ください。

問合先:健康づくり課
【電話】978-7100

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