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自治体の皆さまへ

特集 きっと、大丈夫。〜誰もが働けるまちに〜(2)

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静岡県富士市

【Interview~Step 一歩を踏み出す】

◆少しずつ自信をつけ、自立へ
(株)ウエストトラスト・ライフサポート
Y.K.さん
高齢者向け住宅でヘルパー業務に携わる50代男性。大病を患い、体を動かしにくい状況だったが、支援センターのプログラムを少しずつこなし、現在の会社へ入社。

○自分に仕事ができるのか?
私は脳梗塞を患いました。その後遺症で体を思い通りに動かすことができず、自分を雇ってくれる会社はあるのだろうか、自分にできる仕事はあるのだろうか、と不安な気持ちを抱えていました。
当時、病気の影響で生活保護を受けていたので、市役所の生活支援課から支援センターを紹介してもらいました。
支援センターを利用することに対しての恥ずかしさや、ためらいはなく、リハビリも兼ねながら少しずつ行動していこうと思っていました。

○清掃員から介護職へ
今働いている会社と出会ってから、約5年が経過しました。
就労までに、職場見学や就労体験、コミューターなど徐々にステップアップしながら、週に2~3日、1日4時間という勤務形態で清掃員として働き始めました。
そんな中、代表取締役から「介護の資格を取ってみないか」という誘いを頂きました。最初は自信がなく、資格を取ることは考えていませんでしたが、「体が丈夫でない母に何かがあったとき、役に立つかもしれない」と考えるようになり、資格の取得にチャレンジしようと思いました。
働きながら勉強をすることはとても難しく、半年ほどかかってしまいましたが、無事資格を取得することができました。
その後、介護職として正社員採用となり、現在は主に夜間勤務を行っています。
就労後も、半年間は支援センターの就労支援員が働いている様子を見に来てくれました。社員に直接言いにくいことを支援センターに相談して、就労支援員を通じて会社に伝えてもらっていました。
支援センターが就労後も寄り添ってくれたので、安心感がありましたね。

○周りの人に支えられて
介護の現場で働いていると大変なこともあります。入居している人の体調が急変してしまい、一人で対応していてパニックになったことがありました。そのときは施設長に連絡をして指示を仰いだり、周囲の人と相談したりしながら、協力して対応することができました。
私は、ここで働き始めるまでは極度の人見知りで、自分から誰かに話しかけることが苦手でした。しかし、入居者や世話を焼いてくれる事務所のスタッフたちに優しく支えられて、自分から積極的にコミュニケーションが取れるようになり、介護の仕事をすることで、自分を変えることができました。
介護の資格取得を勧めていただいた代表取締役をはじめ、社員の皆さん、入居者の皆さんには本当に感謝しています。
今後は、仕事のレベルを少しずつ上げ、できることを一つでも増やしていきたいと思っています。

○できることが増えて自信に
就労するまでは、「階段が登れるか」「掃除機が持てるか」などという日常生活を送ることに対しても不安を抱えていました。でも、少しずつできることが増え、自信をつけていくことができ、自立することができました。
現在、働きづらさを抱えて悩んでいる人は、勇気を持って一歩を踏み出してみてください。
その先には、きっと自分に合った仕事があり、自信や生きがいにつながる出会いがあると思います。

◆動き出すことで状況は変わる
富士センコー運輸(株)
I.M.さん
倉庫内で荷物の仕分業務などを行う20代女性。前職で悩みを抱える中、支援センターと出会う。職場見学や体験などを通じ、自分に向いていると感じた現在の会社を希望し、入社。

○支援センターとの出会い
私は以前、今とは全く別の職種で働いていました。その仕事は自ら望んだ職業でしたが、いつしか働くことに苦しさを感じるようになっていました。
そのため仕事を辞めて、新たな仕事を探そうとしましたが、探し方や転職への動き出し方が分からず、悩んでいました。
そんなとき、支援センターのパンフレットを見つけ、求人雑誌のような感覚で手に取りました。その中には『就労ブランクが長い』や『長時間労働が難しい』など様々な具体例が書いてあり、「自分もこの中のどれかに当てはまるのでは」と思い、直接支援センターへ足を運びました。

○職場の雰囲気が分かる
支援センターでは、まず面談で、希望職種や勤務形態、通勤可能範囲など、細かく希望を聞いた上で、それに沿った会社を紹介してくれます。
その後、職場見学や1日の就労体験、3日間にわたるコミューターなどのステップを踏み、その中で自分に向いているかもしれないと感じた現在の会社を希望しました。
支援センターを利用してよかったところは、お試しで実際に働くことができる就労体験があるところです。職場の雰囲気を知るには、やはり現場で体験してみないと分かりません。見学をした印象と実際にやってみた印象とでは、全然違うと思います。
また、『就労したら終わり』ではなく、アフターケアをしてくれるのもよいところですね。私は自ら希望して、就労後も半年間、月に一度の面談の場を設けてもらっていました。
就労支援員さんはとても話しやすく、アドバイスはもちろん、仕事であったいろいろなことを、親身になって聞いてもらえたので、とてもうれしかったですね。

○成長を感じられる
入社したばかりの頃は、右も左も分からず、周りの社員に質問してばかりでした。
慣れない作業でミスをしてしまい、落ち込むこともありましたが、今までできなかったことができるようになると、自分の成長を感じられてとてもうれしいです。
ここで働き始めて半年以上が経ちましたが、働く前と比べると前向きな気持ちになれていると感じています。
現在の勤務形態は、短時間での勤務ですが、いずれはできるだけ長く働ければと思っています。自分のペースで自分らしく前を向いて、少しずつ今の自分にできることをやっていきたいです。

○私だけじゃない
支援センターに行き始めた頃、講習会を受ける機会がありました。
その講習会では、人と関わるための訓練や、仕事に必要な知識を学ぶことができたのですが、そこで、自分以外にも支援を必要としている人たちがいるということを知りました。
私のように、自発的に行動した人は少ないかもしれません。しかし、「相談してみようかな」という気持ちが少しでもあったり、周りから勧められたりして迷っている人は、ぜひ踏み出してみてほしいです。
誰にでも必ず自分に合った仕事があり、動き出すことで状況は変えられると思います。

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