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自治体の皆さまへ

特集 きっと、大丈夫。〜誰もが働けるまちに〜(3)

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静岡県富士市

【Accept~受け入れるために パイロット事業所】

パイロット事業所とは: ※令和5年9月現在。
認定協力企業のうち、働きづらさを抱えた人の受入過程における工夫や課題などの情報を公開・共有している事業所。現在8社。企業説明会や講演会などでも事例紹介を行う。

◆富士センコー運輸(株)
○平等ではなく公平に
弊社はユニバーサル就労支援事業のパイロット事業所として、利用者の職場見学やコミューター(職場体験)を通して、10人以上を採用しています。
しばらく働いていない人でも短時間勤務からチャレンジすることができ、働く人の状況に応じて、働き方の見直しをしています。就労することがゴールではなく、長く勤めてもらうために働きやすい環境づくりに取り組み、全ての従業員が同じ方向を向けるように、平等ではなく公平に寄り添うことが大切だと考えています。
着る服が違うように、その人に合った職場は必ずあると思うので、じっくりと自分に合った職場を見つけてもらえればと思います。
経営企画部 課長 風間雄大(たけひろ)さん

◆(株)コーチョー
○できる範囲で、できるだけ
弊社が採用した20代女性(以下Aさん)は、大学在学中に骨髄性白血病を患い、高熱のため通学が困難になったり、時には2週間も動けなくなったりしたそうで、体力・体調に不安を抱えていました。
しかし、弊社がAさんを雇用するに当たり、特別な対応をとることはありませんでした。Aさんが働く福祉事業部門では、社員の代行をAさんが務めたり、Aさんが休むときはほかの社員がフォローしたりしているので、問題なく職場に溶け込めていました。
体調に不安を抱えていても、できる仕事はあります。仕事を切り分けることで、営業社員が動きやすくなり助かっています。これからも、できる範囲で頑張ってもらいたいですね。
福祉事業部長 荻野佳那子さん

◆ケンコーマヨネーズ(株)静岡富士山工場
○様々な働きづらさに寄り添う
コミュニケーションをとるのが苦手な20代男性(以下Bさん)を採用しています。以前から、障害を抱える人を積極的に採用していたこともあり、働きづらさを抱える人へのマイナスイメージは一切ありませんでした。
支援センターが実施する就労体験などを通じて働き始めたBさんは、母親やお姉さんくらいの年齢の社員と交流を深め、対人関係での不安が少しずつ解消されました。周りの社員が声をかけ、一緒に食事をとるなど、Bさんに孤独を感じさせないような工夫も行っています。
私たちの工場では、支援センターを通じた社員が複数人います。今後も、働きづらさを抱える人たちを採用していく方針です。
管理部長 若林敏和さん

◆(株)ウエストトラスト・ライフサポート
○働きやすさを追求
弊社が運営する2つの介護施設で、支援センターとのマッチングで採用した人が、10人以上働いています。
その中には、人前に出ることが苦手で、ほとんど家に引きこもっていた30代男性(以下Cさん)がいます。Cさんは、働く中で少しずつ自信をつけ、今では入居者の介護に欠かせない現場のリーダーを務めています。
弊社は、「ここで働きたい」、「社会に出たい」という意思さえあれば、多少のハンディキャップがあっても採用する方針でいます。障害があることで働きづらさを抱える人がいても、人物本位で採用の間口を狭めることのないように意識しています。働く人が充実感を得られるような仕事をしてもらえれば、うれしいですね。
代表取締役 西尾公雅(きみまさ)さん

◆(株)楠見製作所
○同じ目線になって
弊社では、ユニバーサル就労事業の当初から、数多くの職場見学や就労体験を受け入れ、その中から2人が雇用に結びついています。
現在、正社員として働いている20代男性(以下Dさん)は、発達障害の一つである「アスペルガー症候群」の診断を受けていて、人と関わることが苦手です。
Dさんを雇用するに当たり、工場長である私から率先してコミュニケーションを図り、彼の障害や性格を理解しようと努めました。弊社で扱う60種類以上ある部品をすぐに覚え、真面目に頑張るDさんの姿を見て、いつしかほかの社員たちも理解してくれるようになりました。
受入体制さえ準備できれば、その人の能力を十分に発揮できると考えています。
工場長 佐野祐一さん

◆福山通運(株)富士営業所
○管理者自らが気を配る
弊社は慢性的な人材不足の状況でしたが、ユニバーサル就労のことを知り、人材確保の一つとしてこの取組をスタートしてみました。これまでに、職場見学や就労体験などで5人を受け入れ、3人の雇用が実現しています。
現在仕分作業を行っているEさんには当初、清掃作業を指示しました。本人の希望は仕分作業でしたが、療育手帳を持っているEさんに、いきなり難しい仕分作業を担当させるより、簡単な作業から慣れてもらおうと思いました。仕事に慣れるまでの間、教育を従業員任せにせず、管理者が気を配ることが大事だと思っています。そうすることで、本人の適性を直接確認できるだけでなく、会社と本人双方の負担を減らすこともできます。
所長 難波直人(なおと)さん

◆NPO法人ファインケア
○お互いを助け合いながら
独自に培ってきた仕組みや経験を生かして発展させるため、最も早い段階からユニバーサル就労の認定協力企業として加入しています。
現在、支援センターを通じて6人を雇用しています。いろんな木が集まって豊かな森がつくられるように、働く人の様々な特性を見極め、お互いを助け合いながら働くことができる環境づくりを意識しています。
人と関わることが苦手だった人や、自分に自信を持てなかった人が会社に居場所をつくり、「自分にもできる!もっと働きたい!」と思ってもらえるとうれしいですね。
法人としては、更生したい人の支援にも力を入れていて、様々な働きづらさに寄り添えるような体制を整えていきたいと思っています。
総務部課長 遠藤礼朗(れお)さん

◆(株)グリーンテック富士営業所
○誰でもできるように
富士営業所は、障害者雇用率が法定雇用率を上回るなど、多様な人材が活躍できる環境づくりに取り組んでいます。
このユニバーサル就労の取組を知ったとき、即座に認定協力企業に加入しました。誰でもできるように手順書を作成するなど、以前から環境は整えていたので、スムーズに受け入れることができました。以後、23人を職場見学に受け入れ、8人を雇用しています。
従業員たちは、雇用枠に関わらず同じ業務を行っているので、分からないことがあればお互いに助け合って仕事に取り組んでいます。
どんな働きづらさを抱えていても、必ずその人に合った職場はあると思うので、まずは自分の目で見て、知ることが大切だと思います。
所長 大浦智和(ともかず)さん

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