■地域で子育てを見守り、親たちの居場所を作りたい
島田市ペアレントサポーター
藤田和子(ふじたかずこ)さん(三ッ合町)
島田第一中学校で開かれる子育て広場「ぐぅ・ちょき・ぱぁ」。運営者で、市ペアレントサポーターの藤田さんは、子どもの成長とともに、育児に奮闘する親たちを見守ります。
▽子育てに悩む親との出会い
藤田さんは、17年前にぐぅ・ちょき・ぱぁを立ち上げました。それまでの経験が、子育て支援活動の原点になったと話します。
「長らく教育関係の仕事に携わっていたことで、多くの子どもや、保護者と関わる機会がありました。ある時、小学生の子を持つ親から、子育ての悩みを相談されました。『仕事の都合で幼い時に、手を掛けてあげることができず、今でも子どもの心が見えない』と涙ながらに話すお母さん。その時、同じような思いをしている親たちの助けになれないかと感じました」
▽偶然見つけた新天地
悩める親たちを支えたいという思いから、早期退職した藤田さん。子育て広場と出会った頃を振り返ります。
「ママたちに寄り添いたいと思っても、自宅に居ては何もできないですよね。活動の場を探し歩いていた時に、子育て広場と出会いました。会場ではママたちが集い、子どもたちがのびのびと遊ぶ。その様子を見ていると『ここで活動してみたい』という思いが込み上げ、自ら希望し運営者である子育てサポーター(現・ペアレントサポーター)になりました。当時、会場はプラザおおるりだけでしたが、活動を続けていると『中学校でもやったらおもしろいのでは』と新たな構想も思い描くようになりました。幸い、その頃は、開催する会場を増やしていたさなか。市に相談し、中学校でもやってもらうようになってぐぅ・ちょき・ぱぁが誕生しました」
▽地域の中で子育てする意味
「ぐぅ・ちょき・ぱぁでは、子どもを遊ばせるのと同時に、親が悩みや情報を共有することも大切にしています。子育てに追われるパパ・ママにとって大人同士の会話は、束の間の息抜きになっているのではないでしょうか。また、我が子と触れ合う親やその子どもの姿は、思春期を迎えた中学生に優しさや、人をいとおしむ心を芽生えさせます。活動の様子を廊下から伺う生徒たちは、いつもとってもいい笑顔ですからね。今後、大人になる中学生が、身近な子どもたちに対して、見守る気持ちを持ってくれるとうれしいです。
『困った時には、助けてくれる人がいる。だから一人で悩まないで』。いつもパパやママに向けて発信している言葉です。このまちには、子育てを応援してくれる人がたくさん。だから周りのいろいろな人を頼って良いんです。子育ては一人じゃないですからね」
子育て世帯と地域をつなぐサポーターとして活躍する藤田さん。その優しい笑顔でパパ・ママを見守り続けます。
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