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【特集】御殿場 金華豚(1)

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静岡県御殿場市

金華豚という豚を知っていますか。
金華豚は中国原産の豚で、御殿場市で飼育されるようになってから、今年で36年目を迎えました。
通常の豚と比べ飼育が難しい金華豚の「純粋種」を保っている地域は、国内では御殿場市を含め3カ所しかありません。
現在、当市を代表するブランドとしての地位を確立している金華豚。
飼育農家の方に話を聞くと、良質な金華豚を育て上げるまでに多くの苦労があると言います。
今回の特集では、金華豚の魅力と飼育農家の想いを紹介します。

■御殿場金華豚の歴史をたどる
◇金華豚とは
中国の浙江省にある、金華市とその周辺で飼育されている中国原産の豚です。頭とお尻部分が黒く、その特徴から熊猫猪(パンダ豚)とも呼ばれています。
その飼育の歴史は古く、古代中国、唐の時代には金華豚の肉の塩漬けが作られていたという記録が残っています。
一方で、金華豚は一般的な豚と比べ、小型で肉量が少ない上に成長も遅いため、他の地域ではあまり飼育されておらず、その希少性から「幻の豚」とも呼ばれています。
中国では、金華豚はそのまま食べるのではなく、肉のうま味を生かして、高湯(カオタン)と呼ばれる中国伝統のスープに、だしとして利用されています。
世界三大ハムの一つ「金華ハム」の原料豚としても有名です。

◇御殿場市との関わり
御殿場市と金華豚との関わりは平成元年にはじまりました。
静岡県と中国浙江省は友好提携を結んでおり、その交流の中で、雄1頭、雌2頭が県に寄贈されたのがきっかけです。
金華豚が寄贈されたことを受け、「何か特徴のある品種を育てたい」と考えていた市内の飼育農家が譲り受けを希望したことで、金華豚の飼育がはじまりました。
それ以降、金華豚の生産性やブランドを高めるために、飼育農家などの関係者を中心に発足した「御殿場金華豚研究会」が飼育のノウハウを磨いてきました。
現在、御殿場産の金華豚は「御殿場金華豚」と呼ばれるまでブランドとして確立しており

◇飼育の難しさ
金華豚は病気に掛かりやすいため、常に豚舎を清潔に保っている必要があります。
毎日の掃除と餌やりはもちろんのこと、冬季には暖房をつけるなど、過ごしやすい環境を整えるように気をつけなければなりません。
金華豚の出産は年に2回ほどで、1回の出産で10頭ほどが生まれます。
しかし、細心の注意を払いながら飼育をしていても、出荷まで辿り着ける頭数はそのうちの6割ほどで、4割ほどは小さい間に死んでしまいます。
また、飼育日数が長くなるにつれて肉質が悪くなるため、出荷のタイミングも重要です。

◇純粋種へのこだわり
金華豚が飼育され始めてから、生産性などの改善のための交配が盛んに行われ、新たな改良種が誕生し品種が多様化していきました。
一方、中国原産の金華豚の純粋種を飼育し続けているのは、国内では当市のほか、もう2カ所しかありません。
その飼育の難しさから、純粋種の年間出荷量は数百頭とごくわずかで、大変貴重なものとなっています。
改良種と純粋種ともに、それぞれ違った魅力があり、優劣をつけることは出来ませんが、御殿場市の生産者は純粋種の生産にこだわり、その血筋を保ち続けています。

●金華豚の特徴
・ストレスや厳しい暑さ・寒さに弱く、肺炎に掛かりやすいため、清潔で快適な環境が必要
・頭とお尻が黒い
・一般的な豚と比べ、体重は軽く、発育に時間が掛かる
・肉質はピンク色の霜降りで筋繊維が細かく、柔らかく舌触りが良い

▽一般的な豚と金華豚との比較

※枝肉とは、頭部、尾、四肢端などを切り取り、皮や内臓を取り除いた後の部位の総称。

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