小笠医師会 その58
おたふくかぜ難聴の防止にはワクチン接種を
■おたふくかぜワクチンは定期接種対象外
おたふくかぜは、3〜6歳に多く罹(り)患するウイルス性疾患です。耳下腺の腫れと痛み・発熱を主症状として1〜2週間で自然軽快しますが、重い合併症として髄膜炎、難聴、睾丸炎、卵巣炎、膵(すい)炎などを発症する場合があります。
おたふくかぜはワクチン接種により撲滅可能な疾患にも関わらず、日本では定期接種化されていません。
自己負担を理由にワクチン接種を敬遠する保護者も多く、集団発生を阻止する程の接種率には届いていません。
■予防法はワクチン接種のみ
おたふくかぜ患者は1000人に1人程度の確率で高度難聴を発症します。日本では年間700〜2300人がおたふくかぜ難聴を発症していると推定され、幼小児の後天性高度難聴の原因の第1位です。
発症年齢のピークは4〜14歳で、多くは片耳の高度難聴です。5%の患者は両耳の高度難聴を発症し、人工内耳埋め込みが必要になる場合もあります。
おたふくかぜも、おたふくかぜ難聴にも残念ながら特効薬はありません。ワクチン接種のみが予防法になります。
■ワクチンの接種時期
免疫を早期につけ確実に長持ちさせるためには、1歳時と小学校就学前の2回、MRワクチンと同時に接種することが重要です。ワクチンを打っていないお子さんは、今からでも遅くないので主治医と接種時期について相談をすることをお勧めします(なお、万一ワクチン接種後におたふくかぜにかかっても、多くの場合は軽症で済み合併症を起こしにくいとされています)。
おたふくかぜ難聴児を持つ親は「このことを知っていれば、予防接種を受けさせたのに」と声をそろえて言われます。
市内でおたふくかぜの集団発生を阻止し、おたふくかぜ難聴児の発症を予防するためには、一人でも多くのお子さんがワクチン接種をすることが重要です。
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